和噺

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マウンテンバイクの噺

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        和噺   
                         R1/12/05
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おはようございます。僕です。昨日は、近所の友人と山に行ってきたんですよ。マウンテンバイクをやりたいっていうので、その調査に。
 
まぁ、僕もマウンテンバイクは持っているんですよ。一丁前に。ヤフオクで5000円で買ったやつですけど。まぁ、山に住んでいるし、マウンテンバイクってのも面白いかもと思って、数年前に買ったんですよ。マウンテンバイク整備のノウハウ本を買って、タイヤを履き替えさせて、整備して、その辺を走ってみたりしていたんですよ。
 
そもそもが、ごく普通レベルの自転車知識しか持っていない、僕です。そんな僕が、5000円とは言え、フルサスペンションのマウンテンバイクを買って乗ってみて、おう、こりゃ自転車じゃねぇな、と思った。ポヨンポヨンする。サスペンションっていう、衝撃を吸収する部分が前後のタイヤについていて、石だらけの山道を走っていても、ポヨンポヨンする。こりゃ面白い、と思ったんですが、そりゃ下るのはいいけど登るのが億劫でね。何回か家の周りの山道を走って、基本的には倉庫で仕舞われておりました。
 
そのは、ヤギ小屋まで行くのに、ときどき使っていましたけどね。我が家からヤギ小屋まで、約200メートル。ゆるい下り坂。そこをマウンテンバイクで走り抜けて、うん、ヤギがいるな、異常が無いなとチェックして、帰りは登って帰ってくる。ちょうどいい運動になっていたので、たまには、そんな使い方をしていました。
 
という程度のマウンテンバイク遍歴を持つ僕ですが、近所の友達(移住者)から「山でマウンテンバイクをやりたいんだけど、案内してくれないか」と言われたんですよ。
 
その人はガチのマウンテンバイカー(というのか?)で、ニュージーランドでマウンテンバイクしてきた、みたいに言ってくる人。アウトドアのスポーツマン。で、その人が、四国でもマウンテンバイクやりたいな、と思って、山の地形とか見ていたら、どうもうちの近所の山が良いらしい。傾斜がなだらかで、マウンテンバイク向きだとか。
 
四国山地っていうのは基本的には急峻でして、切り立ったような山が多いのですが、うちの近所(うちの集落を含めた5集落ぐらい)は、山がなだらかで、棚田もいっぱいあるような地域なんですよ。山が急すぎると、棚田も出来ませんからね。棚田があれば、緩やかです。で、そんな山がマウンテンバイクには良くって、一度、見てみたいと。そういう相談を受けたわけです。
 
うちの集落の山、まみのお山っていうんですが。あ、ググっても出てきませんよ。通称っていうか、あれは公的な名前があるのかね? 地図にも載っていないけど、地元ではそう呼ばれている、って山です。山の名前って、そんなもんです。僕が住んでいるのは松山(の斜面)ですが、こんなのどこにも載っていません。でも、そう呼ばれています。うちの集落でも全員が知っているわけじゃない、というと、全世界でも30人ぐらいしか知らない名前だと思いますが。松山、というのです。
 
で、松山じゃなくて、まみのお山、か。誰の持ち物かっていうと、集落の共同の持ち物です。集落が運営する公益財団法人があって、そこの所有になっている。数十年前に、その山にヒノキを植えて、先人たちは「将来、村の財政が困ることがあったら、このヒノキを売って金を作れ」ということで遺してくれたんですが、残念ながら木材価格は低迷し、その目論見は外れました。その結果、誰にも利用されていない、経済的には無価値の山があるという状態です。
 
で、僕の役割としては、地元重鎮との橋渡しですね。そのような、村の歴史を背負った山ですが、マウンテンバイクで遊んでいいか、って。聞いてみたら「いいよ」と、重鎮。軽いね! じゃあ、ってんで軽トラに友人のマウンテンバイクを乗っけて、山を見に行ったわけですよ。
 
僕は、ガチのマウンテンバイカーではない、5000円マウンテンバイカーですから。軽トラで行きしなに、色々と話を聞いたら、まぁガチの人たちはすごいね。マウンテンバイクに数十万円は当たり前。で、コースってのは入場料を取って運営しているんだって。山を下っていって、下まで行ったら、上げるのには車に乗っけて、また標高の高いスタート地点まで行って、降りてくる。
 
スキーだな、と思いましたよ。システムはスキー場と同じ。リフトの代わりに、トラックに乗っけて山頂まで登っていく。で、草の中、森の中、あの子のスカートの中(きゃー)をかき分けていく。それがマウンテンバイクのダウンヒル。そういうスポーツだそうです。
 
で、僕も友人の数十万円するというマウンテンバイク(軽トラより高価!)を使わせてもらって、少し、道を下ったんですが。これは面白い! ポヨンポヨンする。僕の5000円のは、これに比べたらポヨンポヨンじゃない、ゴインゴインですわ。ポヨヨン度が全然違う。これで山を下るのは、たしかに面白いわ、未来あるわ、と思いました。
 
また、地元としても良い話なんですよ。使っていない山を、入場料を払って利用してくれるわけで。トラックに乗せて山まで連れて行くのも、そこで地元雇用が生まれるし。それに、新たにコースを作るとしても、マウンテンバイクのコースなんて狭いものですから。スキー場みたいな大規模開発が必要ない。チェーンソーで木を切って、小型のユンボで均せば、それでいける。地元のおっさんなら、1日で100メートルぐらいは余裕で作りますよ。コース造りのコストが安い。
 
ってことで産業としても未来を感じたので、作りますわ、マウンテンバイクコース。とりあえずは数キロぐらいのものになりますが、最終的には、集落の一番端っこの峠から、町の中心部まで降りてくる、十数キロあるコースを作りたいね。いや、うちの集落、広いんですよ。人口は百数十人だけど、面積は世田谷区より広いからね。そのほとんどは活用できていない山だけど、それを活用するアイデアとして、マウンテンバイクはアリだなと感じました。
 
また、僕が良いなと思うのは、マウンテンバイクって競争じゃないんですよ。そりゃオリンピック競技にもなっているし、競争の面もあるけど、基本、自分で楽しむものでしょう。スポーツは好きだけど好きじゃないっていう人の原因の一つに「競争が嫌だ」ということが、あると思うんですよ。体を動かすという意味のスポーツは好きだけど、人と争う競争は嫌い、という人。だけど、ほとんどのスポーツ、運動部の活動は、競争じゃないですか。
 
だから、人と争わない、競争ではない、体を動かして楽しい、という意味のスポーツ。修行でもない、楽しみとしてのスポーツ。これは、まだまだ伸びると思うので、そのコンテンツの一つとしてのマウンテンバイクね。人間の活動の根本の意味は、人が幸せになる、ってことだと思うので。大枠でも、その範囲に入っているよね、と思うので。やっていきたいと思いますね。そんな感じ。マウンテンバイクに詳しい人、移住しない? 家は用意するよ。仕事も用意するよ。よろしく! また明日。チャオ!
 
──【おまけのはなし】────────
 
数十万円のマウンテンバイク、ってのに驚いたけど、もっと驚いたのが3万円の空気入れ。何それ? 空気清浄機機能でも付いているのか? アロマな空気が出るのか? いろんなものがあるね、世の中には。
 
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