和噺

まぐまぐで配信中のメルマガ「和噺」の過去ログです

米作りの噺

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        和噺   
                         R1/11/14
───────────────────
 
おはようございます。僕です。昨日は、近所の人(移住者)の米作りを手伝ってきましたよ。脱穀作業。その人は、人生初の米作りを、小さな田んぼでやったんですよ。完全手作業。ま、稲刈りまでは何とかなったんだけど、家庭菜園で「米」を作ろうとすると、脱穀が一番のハードルになりますね。なので、知り合いの農家さんから足踏み脱穀機を借りて、脱穀したのですよ。今日はその辺の、一通りの米作りの流れについて、話そうと思います。
 
米。一生に一度ぐらいは、作ってみたいじゃないですか。僕も昔、そう思って、3年ぐらい作りましたが、今はもう他のことが忙しくてやっていないですね。あと、やってみて、そんなにハマらないなと思ったので。でも、やってみて良かったとは思いますよ。本当に。ああ、こうやって日本人は2000年、生きてきたんだな、というのが体感として分かりましたから。米を主食にしているのなら、一生に一度はやった方がいいですよ。
 
家庭菜園でやる場合、野菜は簡単なんですよ。その辺で苗でも買ってきて、植えれば良いです。種からでも、そんなに難しくない。でも、家庭菜園で「米」は難しい。機械も無い、弥生時代のような装備での、米作り。さて、それをどうやるか。
 
とりあえず「田んぼ」は、あるとしますよ。山を切り開いて田んぼを作るとか、大変ですから。田んぼは、すでにあると仮定します。あと、種も。つまり、田んぼと、種。ここから、どうするか。いきなり田んぼに種をまく「直播き」でもいいんですが、普通は、苗を作って、その苗を別の場所に植え直します。これを「田植え」と言います。
 
なぜ、直播よりも田植えが良いのか。雑草に負けるからです。種状態からの一斉スタートだと、雑草もガンガン育ちますから、米が負けちゃうんです。田植えならば、雑草は種状態、一方の米はある程度育った状態からスタートできるわけです。それだけ生育に有利です。だから田植えをするわけです。
 
苗を育てるには、苗床を作って、そこに種籾(米の種)をまいて、1ヶ月ぐらい愛情を込めれば、いわゆる田植えをする前の苗になります。早乙女が手に持っているやつですよ。育った苗を根っこごと、ほじくり返して、田んぼに植え直すのです。
 
田んぼを田んぼにする、つまり、水が入っている状態にするための作業が「代掻き」です。これがしんどい。土と水をぐちゃぐちゃに混ぜると、泥になりますよね。あれを田んぼ全部でやるわけです。水を田んぼに入れつつ、トラクターで土とかき混ぜると泥になって、そうすると、水もちが良くなって、水が溜まるわけです。さらに、田んぼの淵、つまり壁面のところですね、そこは「畦塗り」をして、水が漏れないようにする。代掻きと畦塗りをやって、はじめて水が溜まる。
 
といっても、水は自然に蒸発し、大地に染み込んでいきます。水たまりが姿を消すのと同じ理屈で、何もしなければ、そのうち、田んぼは干上がります。だから、常にちょっとずつ、水を入れ続けています。
 
で、田んぼができた。そこに、苗を植えていきます。それから4ヶ月ぐらいは、水がちゃんと溜まっているか見守ったり、雑草を引っこ抜いたり、そんなことを続けます。田植えから4ヶ月で、収穫時期になります。稲刈りして、乾燥させます。手作業でやる場合は、竹で物干し竿みたいなのを作って、そこに、束にした稲を逆さまに引っ掛けていきます。で、2週間ぐらい置いておくと、いい感じに乾きます。
 
なぜ乾かす必要があるかというと、水分量の多い米は腐りやすいからです。保存するために、乾かすんですね。魚の干物みたいなものです。で、乾き切ったら、乾いた米を、稲わらから分離させる作業をします。これが脱穀です。稲の状態では、稲わらに米がびっしりとくっ付いていますが(稲穂)、これを、一粒一粒の米にしたいわけですよ。
 
原始的な脱穀は、竹の棒でぶっ叩く、みたいなやつ。東南アジアやインドで、巨大なヌンチャクみたいなので叩いている光景がありますよね。あれ。弥生時代の日本では、臼(うす)に入れて杵(きね)で突くことで、脱穀をしていたようです。
 
そんな脱穀作業ですが、江戸時代に、革命的な道具が出現しました。「千歯こき」です。歴史の教科書に出てきたと思いますが。で、この千歯こきがさらに進化したものが、足踏み脱穀機。ペダルを踏んで、金具がついたローラーを回転させて、そこに稲穂を押し付けて脱穀させる道具です。昭和期に全盛を誇った道具ですね。動力は人力だから、機械じゃないね、道具だね。
 
昨日は、この足踏み脱穀機を借りてきて、脱穀していたんですよ。脱穀したら、籾殻のついた米が手に入ります。ここから籾殻を取り除く作業が、籾すり。そうすると玄米ができます。で、玄米の外皮を削って白米にする作業が、精米です。ま、いろいろプロセスがあるんですよ。
 
数年前に、近所に籾すり機能つきのコイン精米機ができたので、今は、そこに籾を投入すれば白米になります。便利です。そんな便利な機械がご近所になくて、手作業でやりたいのならば、脱穀と同じように、ひたすら臼と杵で突けば、籾が剥がれて玄米になるようですよ。やったことないけど。あと、玄米を一升瓶に入れて棒で突けば、白米になります。「はだしのゲン」や「この世界の片隅に」等々でお馴染みの光景ですね。
 
ま、斯様に、お米を家庭菜園でやろうってのは大変です。米は、規模が大きくなれば機械化できるから、野菜よりもずっと楽になるんだけど、自分で1年食べる分のお米を作ろうと思ったら、大変ですよ。ただ、米って、自分の体の大半を構成しているものですからね。教養として、一度ぐらい米作りをするのはアリだと思いますね。あと、米はすさまじく水を使うなというのが分かりますよ。で、麦は全然、水を使わないというのも分かる。そういうのも面白い。また明日。チャオ!
 
──【おまけのはなし】────────
 
倉庫を整理していたら、中途半端なセメント袋が出てきたので、砂と混ぜてモルタルにして、玄関の外側を拡大させる。アプローチ、っていうのかな。そのままだと見た目が暗いので、これも、中途半端なクリームイエローのペンキがあったので、塗りたくる。素敵な玄関になりました。
 
──★バックナンバーはこちらから───
       Twitter @kato_nodoka
       Instagram katonodoka
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━