和噺

まぐまぐで配信中のメルマガ「和噺」の過去ログです

win-winの噺

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        和噺   
                         R1/10/30
───────────────────
 
win-winって言うじゃないですか。ま、もっと言えば4種類あって、win-winの他に、win-lose、lose-win、lose-loseがあります。
 
win-loseってのは、ごく普通の感覚というか。私は勝ちを目指す、そして相手が負けることを目指す、ってことですね。理解しやすい感覚です。lose-winってのは、私は負けを目指して、あなたの勝ちを目指す。ホストに貢いで全財産を失ってしまうとか、自分の生活を犠牲にしてまでボランティア活動をするとか、そういう感じ。lose-loseってのは相手憎さのあまり、自分の損もかえりみずに相手の負けを目指す。離婚相手に財産分与したくないから、わざと散財して自己破産するとかね。そういう感じ。
 
で、win-winはお互いに得をする、お互いが勝ちになるような価値観です。win-winが良いってのは、まぁ星の数ほど言われているわけですが。長年、それだけ言われ続けているってことは、やっぱり世界のほとんどがwin-winじゃないから、win-winにしろって言われるわけですよ。すでに世界にwin-winが溢れているなら、改めて言う必要が無いわけですから。世界のほとんどはwin-lose、競争することを、相手に勝つことを良しとする価値観に覆われていると思います。
 
なんでだろうと思って考えたんですが。学校の教育や、スポーツって、win-loseだなと思ったんですよ。幼い頃、そして思春期に、大抵の人はwin-loseの価値観を叩き込まれる。だから、大人になってビジネスでwin-winを目指そうと言ったって、出来るわけないじゃないか、と。そう思ったんですよ。
 
当たり前の話ですが、学校では勉強のできる順に1番、2番、となるわけですよ。で、クラスの上位10%がAとか、下位10%がEとか、そういう判別をするわけですよ。みんながAだって良いとは思うんですが、そうしないんですね。順位づけをするということは、必ず、勝者と敗者が出る枠組みがあるわけです。みんなが勝者になることは、無いわけです。
 
スポーツも、そうですね。必ず、勝者と敗者がいます。特に欧米のスポーツではーーとここで欧米と言ったのは、そういや相撲で7勝7負の力士が千秋楽で大体、勝って、8勝7敗になるのは八百長だとか騒がれたけど、これってwin-winの価値観だよねと思ったので、欧米では、という断りを入れたのですがーー、勝者と敗者が確実に分かれます。
 
思えば不思議ですね。幼稚園や保育園では、みんな仲良くしましょうね、お友達におもちゃを貸しましょうね、仲良く歌を歌いましょうね、と教えられたのが、いつの間にか、そうですね、小学校高学年ぐらいからですかね、競争にすり替わっていく。特定の物差しのもとで一番になること、他者より優れることが良しとされる。で、社会に出たらーーまぁ実際の社会はほとんどがwin-loseだとは思いますがーー、win-winが賞賛されて、実際、win-winの方が業績をあげたりする。
 
価値観の揺り戻しが、激しすぎです。幼稚園はwin-win。小学校から高校はwin-lose。社会に出たらwin-winに逆戻り。まぁ、ここで良くないのは、小学校から高校でのwin-loseの価値観ですよね。どげんかせんといかん。
 
スポーツに限らず、本来であれば競争とは縁遠いはずの、音楽とか絵画だって、部活になれば「競争」になるんです。吹奏楽コンクール、美術展、そういう場では、審査員の判断によって順位が決められます。ほとんどの人は、そこを目指す。どうなんだろうね、そういうの。やめた方がいいと思いますけどね。
 
相手の得になることは、自分にとって損である。win-loseの価値観を叩き込まれた我々は、そう思います。だから、極端なケースでは、自分が勝てそうにもない時には、lose-loseを目指しちゃうこともあります。だってその方がwin-loseに近いから。だけど、当たり前だけど、一番いいのはwin-winなんですよ。そこに近づくためには、とりあえず、自分の得にならなくても、一応相手にwinさせておくってのも、一つです。nothing-winとでも言いましょうか。単に、give、でもいいですが。その方がwin-winに近いでしょ。
 
なぜ、世界はwin-loseでは無いのか。win-winが最適解なのか。それは、世界のサイズ感の問題だと思います。勉強だったら、30人のクラスの中での順位づけ。スポーツの試合だったら、味方のチームか相手のチームか。世界は、狭いです。その狭い世界では、そして限定されたルールの中では、win-loseの価値観が通用します。だけど、現実の世界は計り知れないほどに広い。win-loseで負かした相手も、世界から退場するわけじゃない。甲子園なら負けたチームは退場するけど、現実世界に退場は無い。
 
皆が協力すればするほど、世界は豊かになっていく。協力すればするほど、強くなっていく。だから、win-winが最適解なんだと思います。ま、野球やサッカーをやるなら、win-loseでいいんだけど(じゃないと、つまらないし)、できる限り部活や勉強からwin-loseの価値観は取り除いたほうがいいと思いますよ。みんな違って、みんな良い。そういうことです。みんな仲良く。協力によって、生命は強くなってきたのですから。また明日。チャオ!
 
──【NEWS PICKUP】────────
 
人類の起源は、20万年前のアフリカの湿地帯
 
だそうです。面白いね。現生人類が、頭の毛以外が非常に薄い、毛なし猿になったのは、水辺に住んでいたからだという論は前々からありましたが、湿地帯で人類が誕生したとなると、なるほど符合するね。
 
──【おまけのはなし】────────
 
インスタを検索しても出てこないんですけどっていうメールを何通かいただきまして。katonodokaで検索してください。偉そうな三毛猫の写真が出てくると思いますが、それです。よろしく!
 
──★バックナンバーはこちらから───
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━