和噺

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ポケトークの噺

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        和噺   
                         R1/10/15
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「ポケトークは、微妙なニュアンスとか伝えられるんですか?」というご質問があったので、答えます。
 
微妙なニュアンスを伝えようとしたことが無いので分かりません! いや、すいませんね、だってうちに来る外国人相手に、微妙なニュアンスを伝える必要性が無いもので。この辺は、英語のコミュニケーションというか、外国人とのコミュニケーションにも関わることなので、ちょっと掘り下げますよ。おはようございます。僕です。いい天気です。スペイン人は、件(くだん)のポケトークを持って、数日、大阪に行ってくるようです。また戻ってくるらしいけど。ひとまずアディオス!
 
さて。日本語って、微妙な表現がいろいろありますよね。ご質問にあった、微妙なニュアンスっていうのも、そういうことだと思うんです。「ちょっとそれは、検討する必要があるんじゃないかな」とか「お母さんは、そういうの良くないと思うよ」とか「また、やる場合には連絡しますね」とか。こういうのって、全て「NO」で終わることなんですけど、相手との関係性を重視する日本文化、日本語においては、はっきりとした拒絶は忌み嫌われます。
 
結果、オブラートに包んでサランラップに包んでジップロックで封をしたような表現になる。日本人同士なら分かるけど、日本文化を共有していない外国人には分からない表現ですよね。日本人と外国人との商談とかで「また、やる場合には連絡しますね」という、日本側からの拒絶を相手は理解せずに、いつになったら連絡が来るのだろうと、繰り返し問い合わせ鬱陶しがられる、なんていう話は、ビジネス雑誌とかで読んだ気がしないでもないです。すいませんね、就業経験が無いものですから!
 
で。ポケトークが、その辺を含めて訳してくれたらいいんですけど、無理でしょ。「どうも、お久しぶりです。どうですか、調子の方は。いやー、うちもなかなか、この不況でしょ、厳しくてね、なんとかならんもんかと思っているんですけれどね、こればっかりはどうも」ぐらいを「Hi,How are you?」ぐらいにサクッと訳してくれたらいいんですけど、無理でしょ。バカ真面目に訳すから、意味不明の英語の羅列がポケトークから放たれることになる。
 
英語を喋る場合、というか、外国人とコミュニケーションをとる場合には、「日本語」を喋っちゃいけないんですよ。それは、魂の部分で、ってこと。表面的に英語を話していても、自分が思っている日本語を、そのまま英語にしてしまえば、意味不明になる。「どうも、お久しぶりです。どうですか、調子の方は〜」なんてのを、脳内に思い描いて、それを一つ一つ英語にしようと思うと、どうしようもなくなる。ざっくりでいいんですよ。細かいニュアンスなんて必要ない。
 
英語のコミュニケーションの場合は、できるだけシンプルに、デジタルに、分かりやすい文章を話すことです。ポケトークを使う場合も、そういう風に日本語を話すと、ポケトークは、とてもよく働いてくれます。英語に訳しやすい文章で話してやる、ってことです。一緒にレストランに行って、「僕はハンバーグかなと思ってるけど、マイケルは?」とか言ったらダメですよ。「私はハンバーグを食べます。あなたは何を食べますか?」と言いましょう。そしたら通じます。ポケトークも働きます。
 
まず、日本語は主語を省略したり、あと「察せ!」感が非常に強い言語ですから、その辺を取り払いましょう。ポケトークの取扱説明書には書いていないけれども、英語の翻訳文みたいに喋るのがコツです。「日本語」を喋らないように。ポケトークだって万能ではないですから、きちんと、正しい使い方で使わないといけない。つまり、自動運転車ではないんですよ。普通の車なんですよ。ドライバーがきちんとハンドルを握らないといけないのです。
 
冒頭のご質問を、僕が勝手に解釈すれば、日本語の微妙なニュアンスを汲み取って訳してくれるのか、ということだと思いますから、それは無理でしょう。その微妙なニュアンスを、きちんと英語の翻訳文みたいな日本語にして、ポケトークに訳してもらったら、伝わると思いますよ。これは、使う側の日本語力の問題です。
 
かといって、ポケトークが先回りして、微妙なニュアンスも全て汲み取って訳されても嫌でしょう。AIが発達すれば、そうなるかもしれないけど、情緒もクソも無いじゃないと思う。「月が綺麗ですね」を「I love you」と訳されたら敵わんぜよ、ってことですよ。いや、そこまで言ってない、ちょっと待て、暴走すんなポケトーク、って思いますわ。だから、微妙なニュアンスは伝わらないけど、それでいいんですよ。微妙なニュアンスは、人間同士が頑張って伝えれば、それでいいんじゃないでしょうか。
 
──【BOOK REVIEW】────────
 
『チェイサー』
 
漫画。全6巻、完結済み。手塚治虫がヤベエ、って話。面白かったよ、っていうか、そりゃ早死にするわな手塚治虫、と思った。バケモノみたいに仕事するね、手塚治虫。で、この作者の人、グラゼニの原作の人なんですね。たしかに似たような感じだな、と思った。独特の作風の人だよね。江川と西本も、途中までしか読んでないけど、面白いです。
 
──【おまけのはなし】────────
 
Kindle Unlimitedの登録キャンペーンで、3ヶ月間、199円になるキャンペーンをしているみたいだけど、よく分からない。対象になる人もいれば、ならない人もいるとか。ま、行ってみて199円ってなってたら、登録してみたらいいんじゃないですか。
 
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