和噺

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ニコライさんの噺(その1)

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        和噺   
                         R1/10/12
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台風、はるか遠くにいるはずなのに、風が強いねぇ。やばいよ。皆さん、ちゃんとハワイあたりに逃げましたか? おそらく今日のメールは皆さんワイキキビーチで開いていることと思うので安心しておりますが。おはようございます。僕です。薪棚の屋根のトタンが吹っ飛んでおりました。
 
読者さんからメールをいただきましたよ。「よく外国人のホームステイが来ていますけど、奥さんやお子さんは何も言わないのですか?」とのご質問。まず、面倒くさいので「ホームステイ」と言っていますが、実際は、うちから徒歩10分ぐらいのところに、僕がセルフビルドで建てた小屋に滞在しています。で、朝9時ぐらいに来て、昼ごはんを一緒に食べて、午後3時ぐらいにバイバイ、みたいなのが普通。だから、我が家にずっと滞在しているわけではなく、マックスでも週5で昼ごはんを一緒に食べる、くらいの関わり方です。
 
なので、一般のホームステイほど密接に関わっていないし、プライベートが侵食されることもありません。なので、特に嫌だとか困ったということも無いですね。子供なんかは、物心ついた時から、外国の人がうちに出入りしているので、そういうものかなと思っているんじゃないでしょうか。僕が外国人に、仕事としてベビーシッターを依頼することもあるしね。僕も妻も用事あるときなんか、ちょっと1日、面倒を見てて!みたいに丸投げしたり。そしたら子供、外国人と一緒にマリオカートとかしていますわ。
 
さらに今年から、ポケトークを導入しましたからね。あれでコミュニケーションとっています、子供と外国人。便利ですね、ポケトークスマホでいちいち翻訳するのとか、手間ですからね。外国人が毎日ホームステイしているご家庭には、ポケトークはオススメです。ま、ご質問への答えは「特に気にしていない」です。メールありがとうございました。
 
さて。そんな話の流れで、印象深かった外国人の話でもしましょうか。ニコライさんの話をします。
 
まず、普通、どんなふうにやり取りを始めるのか、受け入れる人を決めるのか、そこから説明しますよ。外国人のボランティア(ホームステイしたい人)が、仲介するサイトを通して、僕にメールを送ってくるわけですよ。
 
「ハイ!ノドカさん! あなたのプロフィールを見ました! 私は、あなたのプロジェクトを手伝いたいです! 私は、今までボランティアとかの経験が(以下、具体例)あります! そして、このような(具体例)スキルがあります! 何月何日から何月何日まで滞在したいです! あなたと会えることを楽しみにしています! 締めの言葉みたいなやつ! そいつの名前」
 
みたいなメールが英語で来ます。もちろん、ここで予定が詰まっている場合は、お断りとなるわけです。あと、あまりに怪しげなやつとか、雰囲気ヤベェなみたいなやつは、お断りします。
 
最初は何も分からないから、誰かれ構わず受け入れていたけど、僕も経験を積んで、目利きができるようになったので、ね。こういうメールのやつは、こういうやつだな、とか、ある程度、メールとプロフィールで想像がつくようになったのですよ。ですので今は、来る申し込みの半分ぐらいは、この段階で断っちゃいます。
 
いや、すいませんね、偉そうで。そもそも断ると言っても、僕の判断が正しいかどうかも判別しようがないので、勝手なことなんですけれどね。だけどぶっちゃけ、具体的なことを言えば、すげーテンションの高いラッパー調のメールを送ってくるチャラめの19歳アメリカ人男性とかは、どう考えても話が会う気もしないので、断ります。社会人経験のある二十代後半から三十代ぐらいのヨーロッパ系なら、即受け入れです。経験から、こういう人にハズレはいないと思っている。ま、小さな経験則ですよ。
 
そんな感じで、メール選別を行っている僕ですが、中には「初物」もいるわけですよ。フランスやアメリカやドイツというメジャーどころとは違う、マイナーな国からの訪問者。もう、こういうのは僕の趣味でして、初物は受け入れます。今回のスペイン人も初スペインでしたからね、即OKですよ。え、スペインって今まで来ていないの?と思われるかもしれませんが、来ていないんですよ。フランス人に聞いたら、スペインって貧乏な国だから、あまり海外旅行とかできないんですって。へぇ。そんなこんなで初スペイン。
 
先日、ビザに必要なインビテーションレターをPDFで送ったガーナ人のおっさん(3人組)も、初ガーナ、っていうか、初アフリカ、初黒人です。こういうのは、即断で受け入れですよ。単純に面白そうだからです。もう数年間、ホームステイ受け入れをやっているから、「初物枠」は最近はそんなに出ないんだけど、ガーナみたいに申し込みがあった場合は、即、受け入れですよ。アラブ系や中央アジア系も来たことないので、この辺は、もし申し込みがあったら、即OKします。
 
さて。ニコライさんの話ですよ。ニコライさんも、この「初物」グループの人でした。ある日、メールが来ました。「明日から2週間ぐらい行きたいんですけど、いいですか?(英語)」と。いや、時々あるんですよ。明日から、みたいな人。中には一年後の予約をする人もいますが、明日から系もいます。平均的には2、3ヶ月前の予約。で、ええー!?明日からー!?と思ったんですが、このニコライさんのプロフィールを見て驚いた。
 
まず、年齢。50歳。男性。エストニア人。現在、お遍路の旅をしている途中。写真は無い。情報、以上。なんだこれ。やべえ匂いしかしねぇ。もう僕の中での想像は、完全にラスプーチンですから。ヒゲモジャの長髪の痩せ衰えた男のイメージですから。怖いですよ。でも、好奇心が勝りますよね。エストニア。50歳(今までの最高齢)。面白そう。気付いた時には「オーケー、空いているよ!来なよ!」みたいなメールを送っちゃいましたよ。
 
カラスかぁで夜が明けて。ニコライさんを迎えに行きます。ニコライさんは最寄り駅まで電車で来るそうです。最寄り駅、といっても車で30分ぐらいかかるし、徒歩では何時間だろうか、たぶん距離としては25キロぐらい離れているんですが、そこの最寄り駅まで迎えに行きます。
 
この辺の出迎え方というのも、人それぞれでして。ニコライさんみたいに電車で来るパターン、これは全体の半分くらいかな。次に多いのが、ローカルバス。バスは高知駅から出ていますけど、電車より分かりにくい。だけど、電車より近くまで来れる。電車の最寄り駅までは、うちから車で30分だけど、最寄りバス停までは車で15分です。僕としては、バスの方がありがたい。
 
あと、飛行機で来る人。金持ちパターンですね。今回のスペイン人も、そういえば飛行機だったな。話をしていたら、YMCAのキャンプでオハイオ州に2ヶ月ぐらいいたことがある、とかも言っていたし。さては金持ちの子か、あいつ!? ま、飛行機で来る人は、最寄りの飛行場まで迎えに行きますよ。車で1時間かかります。遠い。
 
一番、有難いのは、自転車でうちまで来るパターン。あまり例が無いですけど、時々います。自転車で世界旅行系の人。そして、変わったところでは、ヒッチハイクで行くから、いくどこに着くか分からないよ、って人。これは、意外と多いです。でも、ヒッチハイクって、皆さんが想像しているよりも、意外に早く来ますよ。下手したら、電車やバスを使うより早いんじゃねぇの?ってぐらいの時間で来る人もいる。だいたい、最寄りのバス停ぐらいまで来てもらって、そこに迎えに行きます。
 
話を戻して、ニコライさん。何時何分の電車で着く、というメールはもらっていましたから、迎えに行きましたよ。2両編成のローカル電車。何人かの学生に混じり、現れたるは、お遍路姿の巨大な人影。うわ、でかいぞあの人、2メートルぐらいあるんじゃないの? 横にもでかい、体重100キロ以上あると思う。とにかくでかい。速攻で崩れるラスプーチン像。
 
お遍路の格好、って、四国民にとっては常識なので説明しませんでしたが、時代劇のコスプレみたいなやつですよ。白装束の和服に、笠をかぶり、杖をつく。で、リュックサック。そういう格好。なんか、巨大な男がその格好で近づいてきますよ。他の降車客は学ランとセーラー服だし、あの人だよね、ニコライさん。まっすぐ僕に近づいてきて、力強い手で握手をしてきます。「ハジメマシテ! ワタシは、ニコライさんです! コレは、オセッタイ!(以上、日本語)」と言いながら、満面の笑顔で寿司のパックを差し出してきます。
 
いや、いろいろと違う。まず、お接待というのは、我ら一般住民がお遍路さんをもてなすことであり、お遍路さんから何かをもらうことではない。そして何故、寿司パックなのか。その辺のスーパーで買ったであろう助六寿司を持っているのか。いつ買ったのか。常温でどれくらい持ち歩いていたのか。あと、自分に「さん」づけをするのは、ちょっとおかしいぞ、ニコライさん。
 
と思いましたが、とりあえずNice to meet youと言って、握手しておきました。長くなったから、明日に続けますね、ニコライさんの話。チャオ!
 
──【おまけのはなし】────────
 
台風。東海や関東は現時点(朝8時)で、かなり雨が降っているようですね。停電も起きているそうで。このメルマガも届かず、時空の狭間に消え去るかもね。さて、停電した、外にも出れない、どうしよう。そんな時に良いのがトランプです。ご家族でトランプしましょう。結構、楽しいですよ。うちも2ヶ月ぐらい前までトランプブームが来ていましてね、子供とガチの七並べ対戦をしていましたわ。僕が全ての出口を塞いでいる状態での3連続パスで妻子を全てドボンさせたのは良い思い出です(子供泣いたけど)。
 
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