和噺

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農業の噺

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        和噺   
                         R1/10/05
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おはようございます。朝、家の外に出ると、霧がかる水墨画のような風景の中から、沢の音が聞こえます。普段よりもはっきりと、大きな音で聞こえます。昨日、ご紹介しました、新沢です。我が家の30メートル横を、結構な水量で流れています。今日は用事があるから無理だけど、明日、ユンボを出して沢の修理をしないとなぁ。。ま、雨は嫌ですよ。自然は嫌なものです。ちょっと今回の雨は降りすぎましたね。大雨が降ると、後始末に1、2日かかることがあるんです。
 
少し、農業の話をしましょうか。田舎暮らしを目指す人の多くが、田舎の仕事といえば農業、ってな感じで思っているんじゃ無いでしょうか。生計を立てる選択肢の一つとして、少なからず頭の片隅にあると思います。僕も、移住した当初は「農業研修生」という名目で移住しましたから、普通に農家さんで農業研修を受けたりしましたよ。農業機械の使い方も一通りはやりましたよ。
 
でも実際は、どんなど田舎とはいえ、農業で生計を立てている人なんて少数です。一番多いのは、普通に勤めている人です。サラリーマンです。農協であったり、役場であったり、介護や保育だったり、学校関係だったり、病院だったり、色々ありますが、地元の企業に勤めているという人が大半です。
 
地元じゃなくても、ちょっと遠くの都市の企業に勤めている人っていうのも、多いですよ。うちは、窓の外に人工物が見えないぐらいの山奥ですが、高知市までは1時間で着きますからね。十分、通勤圏内なんですよ。もし僕が、取り急ぎマネーが必要で、どこかに勤めなきゃいけないとなれば、高知市で仕事を探すと思いますよ。愛媛の川之江とか、香川の善通寺あたりでも通勤圏内かな。そんな感じで、車で1時間ぐらいの距離の都市に、普通に勤めに行っている人というのも多いです。
 
じゃあ、誰が農業をやっているのかっていうと、年金生活の人が多いですね。他に収入があり、暇つぶしといったら悪いけれども、生計を立てるためではなく、農業をしている人。もっともこれは、うちの近くは棚田地域で作業効率が悪いので、そもそも農業一本での生計が立ちにくい、というのも、大いにありますよ。レタスの川上村みたいなところだったら、ほとんどの人が専業農家かもしれませんし。ま、あくまで、うちの近所の話です。
 
うちの集落の人口が百数十人だとして、ガチで「農家」と言える人って、10人いるかな、というぐらいです。普通の田舎にとって、農業ってそんなものだし、都会の人が思うほど「田舎の仕事=農業」ってのは、無いです。
 
で、僕は農業研修を受けてみて、自分は農業に向いていないなと悟りました。何が向いていないって、基本的に、同じことをきちんとやるという能力が低いです、僕は。忘れっぽいし、飽きっぽいし、単調作業をしていると心が病んでくる。収穫の喜び、みたいなものも、特に感じなかった。ま、その辺が楽しくてしょうがない、という人だったら、農業は向いていると思いますけれどね。結局僕は、今は家庭菜園すら、まともにやっていないですから。
 
いや、気づいたんですよ。野菜をきちんと自家消費用に作っても、同じものが100円で直売所に並ぶじゃん、と。手間を考えたら、直売所で買ったほうが、ずっといいよね、と。そこで「いや、自分で育てたほうが美味しい」とか思えるなら、家庭菜園に向いているんでしょうけれどもね。僕は、同じだな、っていうか、直売所の方が立派で美味しいよね、とか思っちゃうから、家庭菜園にも向いていない。植物を育てる能力が低いんです。
 
まぁ、強いていえば、果樹かな。果樹って、そりゃプロに言わせりゃ施肥だとか枝の剪定とか、色々あるんでしょうけど、僕は「草だけ刈っとけば育つ」と思っているので。それで草刈りは嫌いではないので、向いているかなと思います。それでも、実がなるのを見て「面倒くせえな」とか思っちゃうから、根本的に向いていないんですけどね。ま、草刈りは向いている。あと、木を切るのも向いている。この辺は楽しいなと思います。植物を育てるのは苦手でも、殺戮するのは得意なようですね。
 
自然が多すぎるんですよ、うちの周りは。もうちょっと人工物を増やしたい。人間のエリアを拡大したい。勝手なもので、人間は自然が大切だとか言いますけれども、それは適度な範囲内での自然、こちらの安全が確保された上で気まぐれに愛でられるレベルの自然、という意味ですから。ガチの自然なんて、嫌なものですよ。自然とは、思い通りにならないもの。ただ、そういう思い通りにならないものと付き合うってのも、人として必要なことかなとも思います。
 
それは、育児や介護ということにも、また、他人との付き合いということにも、通じるのですが。世の中、思い通りにならないことってのはたくさんあって、それはどうしようもないんですよ。受け流すか、離れるか、耐え忍ぶか、まぁ、色々な方法がありますが、そういうことに対する対処を学んでいかないといけない。そこの対処を学ばないと、本人が不幸になる確率が高い。そりゃ、マハラジャのようにチヤホヤされて、ある日、脳梗塞とかで気づかずに死んじゃうなら、それはそれでいいんですが、普通、そんなうまくいかないですからね。
 
そういうことが身にしみて解るための対象としての、自然。ま、冒頭で新沢をユンボで直さないとね、みたいに書きましたが、そういうことですよ。そんなこと、どうしようもないことですから。仕方ないなと、人生の時間の何パーセントかを差し出さないといけないよね、ってことで、それが人間的成長につながる、ぐらいに思わないと、やってられないじゃないですか。面倒くさいから。正当な理由をつけて、発破をかけるぐらい、やらないとね。
 
なんか農業から話が逸れましたが。田舎暮らしとはいえ、農業や林業や漁業なんてのは、ごくごく一部だけのことで、普通に勤め人が多いよ、ってこと。あと、僕には植物を育てる才能は無いよ、って話でした。また明日! チャオ!
 
──【おまけのはなし】────────
 
スマホアプリのマリオカートを遊んでみるも、どうも操作性がしっくり来ず、面白みを感じられない。ドラクエウォークもやってみようかと思ったけど、そもそもウォークをほとんどしていない生活だなと思い、放置。実際、田舎に住んでいると歩かないねぇ。草刈りとかの運動はするけど、歩く、ということが、ほぼ無い。ニワトリ小屋に行く往復ぐらいですよ、マジで、歩くのって。たまに東京行くと、すげー歩くな、って思いますもん。
 
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