和噺

まぐまぐで配信中のメルマガ「和噺」の過去ログです

台風の噺

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        和噺   
                         R1/10/04
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いやー、台風、すごかったですわ。今年ナンバーワンの雨量でしたわ。あとで話しますけど、うちの横の沢の幅が拡大しましたもんね。昨日、あまりに雨が降るから、雨雲レーダー見てみたら、全国で高知だけ、しかも高知の中央部だけがピンポイントで降っているのね。他のところ、全然降っていないのに、ここら辺だけ時間50ミリぐらいの土砂降りでしたからね。高知市内では鏡川の水位が増して、駐車場が水没していましたよ。
 
ローカルな話題で恐縮ですが、天神橋駐車場ってのがあって、そこは川沿いにあるんですよ。堤防の内側、川側にあるんですよね。なんでそんなところにあるのか、とは思うんですが、とにかく、あるんですよ。数十台ぐらい駐まれる駐車場ですよ。で、鏡川が増水すると、ちょこちょこ川に浸かるんですよ。車が沈むんですよ。前回は5年前、とかニュースで言っていました。今回も、いきなり増水してきたから、慌てて車を出していったけど間に合わなかった、みたいに言ってましたよ、ニュースで。
 
まぁ、予想外の大雨でしたね。さて、なかなか皆様には想像しがたい山奥暮らし。こんな台風や大雨の時、具体的にどんなことが起こるのか、ご説明しましょう。
 
まず、うちには水道がありません。これは、市町村とか公共の水道設備が無いってことで、仕方がないから自分でやっているんですよ。家の中の使い勝手は、普通の家と同じです。近くの沢から、ホースで水を引っ張ってきて、タンクに溜めて、それに家庭用ポンプで圧力をかけて家の中に配水する、という形です。蛇口をひねれば水は出るし、トイレも水洗だし、シャワーだって使えます。
 
で、大雨になると、沢の水量が10倍ぐらいになりますから、取水しているホースが吹っ飛びます。つまり、水が来なくなります。家の周りは浸水しそうなほどの水があるのに、そういうときほど、水が無いのです。矛盾です。大雨の水不足、みたいな、なんかうまい言い回しが出来そうですが、ピンと来るものがありませんね。。
 
で、水が来なくなれば、使える水は、あと500リットル。これは何度も言いますが、山暮らしをする人は、1000リットルタンクの設置をお勧めしますよ。500リットルは、1日で無くなるから。今回の台風は、あっという間に過ぎ去ったから、今日、このメルマガを書く前に水源のメンテをしてきましたが、長雨だったら何日もメンテをするのが無理ですからね。水が10倍になっている沢に近づくのは危険ですから。そういうときは1000リットルあればな、と、何度思ったか知れません。
 
で、500リットルオンリーですよ。昨日の朝の時点で、この雨はヤバイな、水は止まるなと思ったから、昨日の洗濯は無しです。あれは水を200リットルぐらい使いますからね。で、夕方の時点でタンクを確認して、止まってるな、でも残り300リットルぐらいあるから風呂は入れるな、と判断。また、既に昨日の夕方は、雨が止んでいましたから。雨が続いていたら風呂も無しですが、雨が止んでいるから、明日(今日)の朝には直せるな、と考えたのです。こんな感じで、ケースバイケースの判断を下します。
 
で、カラスかぁで夜が明けて。今日は朝一から、犬を伴って水源へ。犬を伴うのは、動物が怖いからです。イノシシやシカが現れたとき、一応、犬がいた方が安全だよね、というお守りみたいなものです。幸い、今まで動物に遭遇したことはありませんが、まぁ、それは犬がいたからこそ、かも知れません。未然に防げた危険に感謝はしにくいもので、僕も、この役に立たない駄犬が、といつも思っていますが、ひょっとしたら、知らずに守られているのかも知れませんね。サンキュー、犬。
 
ま、そんな犬を伴って水源へ。ここで、ちょっとうちの沢事情を説明しておくと、僕が水を引いている沢は、我が家から100メートルぐらい斜め上の方向で、林道と交わっているんですよ。林道の下に、沢を通すための大きな配管があって、橋、というわけじゃないけど、道の下を沢が通っている状態なんですね。
 
で、これは僕が山奥に住む数年前の話だから、今から十数年前なんですが。台風の時に、上から大きな岩が落ちてきたか何かで、その配管が詰まったんですよ。で、溢れますわな。林道に全て沢水が流れますわな。水は低きところに流れると老子の言うように、あいつら、どこでも低いところに容赦なく流れますから、沢から20メートルぐらい横の耕作放棄地の田んぼに流れ込んで、そこを崩壊させて、一直線に下っていったのですわ。新沢の誕生です。
 
僕が山奥に住んだ時点で、この新沢は既にあったのです。で、林道と沢(元の沢)とがクロスしているところの配管は、その後、町役場が修理したのですが、この修理も完全じゃなく、やっぱり数年経つと、自然に土砂で詰まるんですよ。で、普段はそこまで水量がないから、元沢のままで水は問題なく流れるんですが、大雨の時には、溢れた水が新沢に流れこみ、新沢が拡大していく、という状態です。
 
この新沢、うちに近いんですよ。近いといっても、30メートルぐらいは離れていますが、やっぱり怖いじゃないですか、拡大してくる沢が近くにあるって。で、僕はセルフ工事で、旧沢とのクロスポイントの配管を整備したり(詰まっている木や岩があれば、ユンボでどかす)、新沢が拡大しないように、切った丸太や枝を、沢に放り込んだりしていたんですよ。
 
枝を放り込むのは、枝をクッションにして、直接、水流が新沢の壁面に当たらないようにしているんです。壁面に当たると、どんどん山が削れて、沢が拡大していきますから。3年ぐらい前に、ドイツ人とオーストラリア人が、この作業を2週間ぐらいしてくれて、新沢はほぼ枝で埋まって、平穏な日々を過ごしておりました。が。
 
はい、久々の新沢拡大、来ましたね。いや、僕もウカウカしていたんですよ。一週間ぐらい前に、旧沢と林道とのクロスポイントを見て、あれ、また詰まっているな、これはユンボを持ってきて掘らないといけないな、とは思っていたんですが、色々と忙しくてね、やっていなかったんですよ。で、そんなことをしているうちに、この大雨ですわ。溢れた水が新沢に流れ込み、拡大していますわ。失敗したなぁ。やろうと思った時にやらないとね。ま、そんなことを8年ぐらい思っていて、未だ同じ失敗を繰り返すという。。。
 
で、話を戻すと、その拡大した新沢を犬と渡り、旧沢の水源のホースをセッティングし直します。これだけでは水は出ません。我が家の近くのタンクのところまで戻って、サイフォンっていうんですか、ホースの端っこを「吸う」んですよ。そうすると水が出てくるんですが、このホース、100メートルぐらいありますからね。なかなか大変。少し吸って、少し吸って、と、数分ぐらい続けると、やっと水がタンクまで届いて、一度出たら、あとはバシャバシャと出続けます。
 
で、タンクの中を掃除します。台風で泥水が溜まっていますからね。台風などの大雨になると、沢の土砂が巻き上げられて、水が濁るんですよ。で、タンクの中も泥水になっていますから、それを掃除します。色々と掃除の仕方は試した結果、片手鍋で掻き出す、というのが一番手っ取り早くて、それに落ち着いています。普段は味噌汁を作る鍋ですが、時々、タンクの泥水を書き出すのにも使います。あ、僕はそういうの気にしないタチなので、普段は食事用だけど、洗えばいいじゃん、って感じで使いますね。
 
で、綺麗な水がタンクに戻ってきた。1日ぶりですわ。そんな感じ。それを早朝に30分ぐらいかけて行って、帰ってきて、今、メルマガを書いているということです。ちなみに作業中はオーディオブックを3.6倍速で聞いてたよ! はい、おはようございます。みなさんお元気ですか。僕は朝っぱらから、そんなことをしていたので、ちょっと疲れていますよ。ではまた明日。チャオ!
 
──【おまけのはなし】────────
 
ホームステイの申し込み、初アフリカから。ガーナ人。僕より年上の、おっさん。ビザの発給とか色々あるから、すんなり来れるかは分からないけれども、楽しみです。
 
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