和噺

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ラリーの噺

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        和噺   
                         R1/09/29
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他の話も聞きたいというリクエストがありましたので、しますよ。基本的に、要望があれば応えるスタイルですから。裁判員裁判の話を延々と10日間ぐらい続けるのも、それはそれで、僕も飽きるしね。日曜日だし。こんにちは。僕です。昨日は結局、子供と一緒にラリーのイベントに行きましたよ。車、速いね。すげースピードで山道を走っていましたよ。デモンストレーションですけど、初めて車のレースを生で見た。ドリフトかっこよかった。
 
んで、タイヤ交換体験ってのがあって、ほら、F1とかで10秒ぐらいでタイヤ替えて給油して、みたいなピット作業、あるでしょう。まぁ、ああいう体験イベント。当然、10秒でできるわけはないんだけど、エアーコンプレッサーに繋がれたインパクトレンチを持って、ガリガリガリガリ、ってやってボルトを取るの。で、付け替えるの。知らなかったけど、レース用のタイヤって、ボルトとホイールが一体となっているんだね。
 
普通の自動車だったら、タイヤ交換のとき、ボルトは外れるじゃない。あれが、外れないの。ホイールにくっついているの。当たり前っちゃ当たり前なんだけど、そんなことも知らなかったね、721年も生きてきて。で、タイヤ交換体験のタイヤは、使い終わったタイヤだから、ツルツルなわけですよ。で、スタッフさんに「これ、どのくらい走ったらツルツルになるんですか?」って聞いたら、「だいたい、1時間ぐらいですね」だって。
 
まじかよ。1時間かよ。普通車だったら1年1回とかの交換だけど、1時間か。ま、たしかにピットインのたびにタイヤ交換しているしね。いやー、1時間か。何キロ走っているか知らないけど、せいぜい100キロか200キロでしょう(だって、時速がそれぐらいのスピードだよね)。それで交換。タイヤ4本。
 
いや、なんか回りくどい言い方していますけど、その時、もったいないな、って思ったんですよ。エコとはかけ離れた世界だな、と。地球のために、と、節電して、節約して、リサイクルして、ってのがバカみたいに感じちゃうな、と。トゥンベリさんが聞いたら、びっくりして座りションベンしてバカになっちゃうんじゃないの、って思った。
 
この「座りションベンしてバカになっちゃう」は、まぁ皆さんは当然ご存知の表現かと思いますが、万一、知らない人もいるといけないので紹介しておきますと、古今亭志ん生の火焔太鼓のラストで、女房がビックリするって場面を、盛りに盛った表現でございます。ビックリする→超ビックリする→ビックリして座りションベンしてバカになる、という活用です。日本語検定のN4あたりで出題されていると思いますよ。別にトゥンベリさんがションベンをする、なんて話じゃないので、あしからず。ただの伝統的日本語表現です。
 
で、さ。シンプルに思うんだけど、もったいなくない? ガソリンとかタイヤとか。F1とかって、なんでエコ活動のターゲットにならないんだろうね(すでになっているかもしれないけど、知らぬ)。自動車業界が強いからかな。そりゃ楽しいよ、ラリーとか見ていて楽しいけど、パリダカも大好きだけど、いや、無駄にガソリンを燃やしてんな、とかも一方では思う。アイドリングストップだの何だのを言うなら、言っちゃあれだけど「遊び」のためのレースって、もっと規制がかかってもいいんじゃない? って思う。
 
すいませんね、ラリーイベントを楽しんでおきながら、こんなラリーを否定するような感想を持っちゃって。そりゃ当然、カッコいいとか、すごいなとか、そういうのも思いましたよ。うちの息子も夢中になって見ていたし。でも一方で、ガソリンを撒き散らす遊びは、消え去って然るべきだよね、とも感じましたわ。
 
申し訳ないから、宣伝もしておくよ。アイサイトっての、自動で止まる衝突防止のやつ、あれの体験試乗をしましたよ。止まるね! 超止まる! ググン!って止まる。ぶつからなかったよ。1メートルぐらい前で止まったよ。僕が運転席に座って、ハンドルも持たない、アクセルも踏まない、クリープ現象で進む(結構速い)状態で、前の車(の絵の看板)に、ああ、ぶつかるぶつかる!と思って、ぶつかる直前に止まりました。あれすごい! 面白い! みんな買ったらいいよ! 宣伝終わり。
 
で、すいませんが自動車レース批判ですよ。F1、ラリー、インディ500。レース本番以外にも、その練習、開発、また下部組織(草レースなど)によるガソリンの無駄づかい。膨大な量になるんじゃないの? 計算してみてよ、小泉進次郎さん。温暖化の原因かどうかは置いておいても、有限の資源である石油を、バンバン燃やしていいか、と言ったら、そりゃいけないですよ、良くないですよ。世界の方向性として、そっちは間違いないんじゃないの、と思う。
 
もちろん、一方で、F1レースによる開発競争によって自動車産業は発展してきたとか、そういうのもあるでしょうけど。もういいじゃん、スピードは十分、出るでしょう。で、開発したかったら、普通にやれよ、F1とかをやるんじゃなくて、普通に開発すりゃいいじゃん、ってだけの話。ま、基本的には「やりたいから」やるわけでしょう。まず、レースをしたいってのが、そりゃもちろんの本音でしょう。
 
フェラーリだって、そもそもレースをしたいがために創業した会社ですし。男のロマン、ってのは分かります。でも、やりたいから全てやるべきだ、ってのは違う。誇大妄想。例えば、人を殴りたいから殴る、殺したいから殺す、ってのはいけない。また、以前は趣味として認められていた狩猟(これは、西洋人の趣味としての狩猟ね)も、現代社会では認められない方向になってきている。一生に一度はキリンをハンティングしてみたい、という望みがあっても、キリンは殺しちゃいけないじゃん、となっている。
 
この辺の話は、合法だとか非合法だとかとは、違うレベルの話ですよ。まずは倫理の話です。倫理や、環境の制限があって(例えばキリンはそんなに多くない、というのが環境の制限)、で、そういうバックグラウンドを踏まえての「法律」ですから。法律の前に、倫理や環境の制限が存在するのです。だから「いや、F1は合法やん」というツッコミは、とりあえず受け付けません、という言い訳です。
 
100年前に自動車レースが始まって、その時は石油が無尽蔵にあると思われていて、技術も発展していって、みんな面白く夢中に楽しんでいたけど、そろそろ終わりだよね、ってこと。というか、終わりにしなきゃいけないよね、ってこと。儚き夢だったんですよ、石油が無尽蔵に湧くというのも。しょうがないじゃん、破れる夢もあるよ。だって地球も人間も有限だから。人間の脳味噌は、無限の夢を見るけれど、無理なこともあるんですよ。理(ことわり=真実)が無いから、無理なんです。
 
タイムマシンも無理だし、アンドロメダ星雲に行くのも無理だし、石油を無尽蔵に使えるってのも無理なんですよ。少なくとも、現在のような、有限の資源を食い尽くしている状況では、自動車レースはやめたほうがいいんじゃないの。ってことを、ラリーのイベントで、1時間で廃棄されたタイヤを見て思いましたわ。ごめんね! アイサイトのミニカーとか貰っといて、ごめんね! レースの帽子も貰っといて、ごめんね! タオルとかメモ帳とか、いっぱい貰っといて、ごめんね! 許してちょんまげ。また明日。チャオ!
 
──【おまけのはなし】────────
 
忘れてた。質問で「ゴキブリ出るの?」って聞かれたから、答えるよ。出ない。普通のゴキブリは、出ない。山にいるタイプの、1センチぐらいのゴキブリは、時々、出る。これは、カメムシとかと一緒で、山から迷い込んだタイプのやつ。たぶんゴキブリの一種だけど、ゴキブリ!って感じではない。虫だな、って感じ。そんな感じ。
 
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