和噺

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キングオブコントの噺

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        和噺   
                         R1/09/23
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どぶろっく、よかったね。ちょっと感動しましたよ。もしかしてだけど〜♪のブレイク後、飼っていた亀のトラブルとかもあったじゃないですか、違法飼育みたいな。で、まさかのキングオブコント優勝ですよ。うるっと来ましたわ。
 
こんにちは。僕です。みなさん、台風はいかがでしたか。うちは特に被害はありませんでしたが、まぁ、道が枝だらけになり、700メートルほどは私道(厳密には違うけど、僕しか使わない)ですから、掃除しないといけません、いや、しないといけないことはないけど、僕が不便。で、スペイン人に命令しました。プリーズ・クリーンアップ・ザ・ロード、って。そしたら金属製の熊手を持って、ニコニコしながら森の中に消えて行きました。
 
で、キングオブコントですよ。もう皆さんがバッチリ観たという前提で話しますからね。トップバッターのうるとらブギーズ。面白いのはもちろんだけど、すごいな、超練習したんだろうな、って感じ。でも、基本的に一設定だけで押し通すから、後半で、ちょっとコントとしてのズレというか、飛び出した感じがあればなぁ、と思った。2本目もなんだけど「面白い演劇」という感じ、それはそれでスゴイんだけど、こういうコンテストだと一息足りないのかな、という印象です。
 
ジャルジャルは、なんだろうね、台本としては面白いんだけど、基本的に芝居が早いよね、この人たち。芝居のテイストと、台本が合っていない。例えば、2本目のやつをかまいたちがやったらどうか、ってことなんですよ。全然違う感じになると思う。1本目も、違う人がやれば全然違う感じになるし、アイデアは面白いし。ジャルジャルって、ワイワイと学生が喋り倒す感じの芝居じゃないですか、それに合う台本にしないと、こう、爆発しない感じになっちゃう。
 
まぁ、どぶろっくは面白かったね。普通に笑いますわ、あんなん。最初のミュージカルのところから、前振りなんだけど、もう面白いもんね。で、1本目のよかったのは、神様の「愛」のくだりね。あそこで後半のダレを防いだから。ミュージカル、いちもつ、愛、で再びいちもつ、という起承転結がきちんとしているじゃないですか。他の出場者だと、そこがなくて、面白いけど最後まではエネルギーがもたないよね、というのを感じました。
 
まぁ、とはいえ難しいよね。そりゃ傍目から見てりゃ、いろいろ言えるわけだけど。決勝進出しなかったけど、僕が好きだったのは、ゾフィーの腹話術師のやつ。記者役の人が、あれほど怒る感じじゃない方が良いとは思ったけど、僕はどぶろっくの次に面白かったなぁ。全然、点数が伸びなかったから、テレビを通しての面白さだったのかもしれないですけれども。たしかに、カメラワークに助けられているところは、あるよね、と思った。
 
ま、そんな感じで、おめでとうどぶろっく、ですわ。心が暖まりましたね。とても良い結果でした。で、コントやお笑いについて思うところを、以下に語ります。
 
お笑い業界って、今の出世街道が、キングオブコントやM−1とかの賞レースで優勝して、テレビに呼ばれて、そこで輝いて冠番組を持つ、という流れじゃないですか。その流れに非常に問題があると思うのは、それぞれのステージで求められる能力が全く違うっていうことです。
 
まず賞レースで優勝するためには、ネタの面白さが必要。というか、その前から話さなきゃいけないな、まずは「劇場で受ける」というところが必要です。で、劇場で受けることが、イコール、テレビの賞レースで優勝するか、っていうと、そうでもないと思う。
 
劇場という閉鎖された空間で、一応、ある程度は芸人を認知しているお客さんが来ている、そういう環境で受けるというのと、賞レースで初見の人を相手にやるというのは、全然違う。いや、全然とまでは言えないかもしれないけど、結構違うでしょう。キャパの問題、その範囲の問題。なんていうか、金属バットと木製バットの違いぐらいは、あると思う。金属バットだとガンガン打つけど、木製バットだと今ひとつ、みたいな。高校生でドラフト1位だけど芽が出なかった、みたいな感じ。
 
まず、そこで小さな、ステージの違いがある。で、まぁそれは小さな違いなのでまとめますけど、賞レースで必要なのは「ネタの面白さ」ですよね。面白い台本を書き、練習を積み重ね、それを本番で100%発揮できる舞台度胸。当然、お客さんの空気を読んで、微妙にタイミングを調整するとか、そういうことはありますけれども、まぁ、基本的にそういった能力が必要になりますよね。
 
で、賞レースで優勝しました。その次は、いろんな番組にゲストで呼ばれたり、ロケをやったり、という雑多なテレビへの露出があります。賑やかしとしての面白さ、というか。例えば、古い例ですが、アンタッチャブルザキヤマさんが、ここにうまくハマっていたわけです。小峠さんとかも、ね。ドッキリとか、基本的に、その人の素の部分の人間性の良さ、面白さ、というのが必要になると思います。キャラクターの良さ、ということですね。
 
で、最終的にゴールデンの司会を任されたりすると、今度は、キャラを封じて、バランスの良さが求められますよね。頭の回転の良さとか、臨機応変さとか、視野の広さとか、余計なことを言わないこととか、そういう能力。つまり、賞レース・テレビの露出・司会業という、こういうステージの違いがあるわけですよ。
 
だから問題なのは、例えば、すごく司会の能力がある芸人さんがいるとするじゃないですか。ゴールデンのクイズ番組とかを回せるような。でもそういう人が、まずはネタの面白さで出て、そしてキャラを立たせてテレビに出て、というルートを通らないと、最後までたどり着けない。で、そこに至るための能力は、全然、司会の能力と関係ないことが問題。
 
野球に例えると、テニスのうまいやつからプロ野球選手を取ろうとしているようなものなんですよ。いや、野球に例えると、とか言い出して思いついたけど、野球も似たようなものなんですよ。ドラフトはともかく、入団テストあるでしょう。50メートル走と遠投とかで一次選考をするでしょう。そもそも50メートルを何秒何、以内で走らないと、バッティングのテストとかに進めない。じゃあ、バレンティンとか落ちるんじゃね?と思いますが。
 
お笑いの話に戻ると、霜降り明星チョコプラが、今、賞レースからのキャラ立ちを頑張っているところ。オードリーは、この道のりをコンビでうまいこと切り抜けましたね。賞レースの後、キャラ立ちのところを春日さんが主になり、で、司会の面を若林さんが主になって、それぞれのステージでの地位を築いていっている感じ。コンビだと、そういうふうに、前面に出る人を変えられるから良いですよね。
 
それと、思いついたままに書くけど、今、芸人界でこういう人は出てこれないよな、というのが、演じ方が面白い人、つまり喜劇役者的な人。冒頭にジャルジャルの話で、台本と演技のミスマッチと言いましたけれども、コントって今は「台本の面白さ」が主になりつつありますが、もっと「演じる人」の面白さがあってもいいんじゃないか、と思う。
 
つまりは志村けんですよ。ミスタービーンですよ。ああいうジャンルの人。この人が演じれば、何でも面白くなっちゃうよね、というタイプの人。それは素ではなくて、演技技術としての面白さなんですけど、そういう人の活躍する場って少ないよね、と思う。吉本新喜劇ぐらいか。必ず、いるはずなんですけれどね。そういう人って、出たがりじゃない場合も多いから、本当は喜劇劇団に所属して芽が出て、みたいなルートがいいんですけど、無いからね、そういう場が。
 
例えば、こんなのはどうでしょう。もう台本は決まっているの。コントの台本は。で、そこからの賞レース。どれだけ「面白く演じられるか」のレース、とか。もちろんゴールデンで放送できるほどの集客量はないでしょうが、深夜とかで、そういう賞レースやったらどうだろう。天才喜劇役者を発掘できるんじゃなかろうか。その人は、テレビのロケとか雛壇というより、ドラマとか映画、そして舞台で輝く「芸人」になるかもしれない。
 
どうです、そういうの。志村杯。いや、僕の志村けんに対する絶大な信頼は何なんだと思われるでしょうが、あの人、面白いでしょう。普通に動きとか表情とかが、すごいでしょう。で、いないでしょう、第二の志村けん。みんなダウンタウンを目指したいから。だからこその、志村杯。ベタベタの台本を、どう面白く演じるか。そしたら、キングオブコントとは全然違うメンツが出てくると思いますよ。それこそが生物多様性です。
 
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道ー1グランプリで近所の道の駅が日本一に。
 
道の駅のグルメグランプリ、道―1グランプリですって。で、そこで近所の道の駅が優勝したってよ。よかったね。土佐赤牛の串焼きですって。存在を全く知りませんでしたが、まぁ、良かったです。
 
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