和噺

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ポイントの噺

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        和噺   
                         R1/09/22
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ずいぶん前になりますが、育児の話をしてたもれ!というリクエストをいただきながら、特に話していなかったと思うので、語りましょうか。といっても、毎度のことですが、人間は人それぞれ違うし、ケースバイケースですから、「こうしたら〇〇な子に育つ!」的なやつじゃないですよ。ってか、んなものは無いと思うし、無理やりゴールを設定して育てたところで人間性が歪む場合が多いでしょうし。僕が紹介するのは、こんなことしたら育児もちょっと楽になる、的な話です。
 
我が家には3人の子供がいますが、上の子が、下の子の面倒を、よく見てくれます。ていうか、見させています。できる限り、子供(上の子)ができることは、させようと思っています。その結果、子供が子供を育てるというグッドスパイラルが生まれています。老老介護ならぬ、幼幼育児と命名していますが。
 
子供は、小さい子供の面倒を見たいものです。そりゃ見たくない子もいるだろうけれども、もし、面倒を見たい欲が上の子にあるならば、ガンガンやらせるべきです。もちろん最初は見守らないといけませんし、さすがに0歳児の世話は危険を感じるけれども、下が1〜3歳、上が小学生、ぐらいの兄弟構成がうまいこと出来ていたら、これは幼幼育児のチャンスです。おんぶ紐で背負わせてもいいし、ご飯やりを任せてもいいし、寝かしつけを任せてもいいし。無限の可能性が広がります。
 
兄弟がいなくても、友達の子供とか親戚の子供とか、ともかく「小学生と幼児」という組み合わせが出現したら、幼幼育児チャンスです。育児と育児が打ち消し合うんです。1+1=0です。仕事が消えます。これは、育児と介護の組み合わせも出来ます。認知症の高齢者と幼児は、これは幼幼育児より安心できます。特に、子供を育てた経験のある高齢女性ならば、バッチリはまるケースも多いと思います。とにかく、最初は見守りつつ、勇気を持って任せることです。そしたら意外にやるものですよ、小学生も、ボケたばあちゃんも。
 
とにかく僕は、子供に仕事を任せます。(下の子の)育児もそうですが、出来ることがあれば、やり方を教えて任せます。2歳ぐらいから仕事をさせますよ。今、うちに2歳児がいますが、「乾いた洗濯物のタオルをたたんで引き出しにしまう」と、「朝になったらカーテンを開ける」と、「日が暮れたらカーテンを閉める」と、「小さな虫がいたらペチンと叩いてゴミ箱に捨てる」と、「ルンバのスイッチを押す」は、そいつの仕事です。
 
とか言うと、えーすごい、偉い子、とか言われますが、違います。親が偉いんです。しつこく言い続け、教え、やらせる親が偉いのです。うちに来たお客さんが、仕事をする子供を見て「えらーい」とか言って子供を褒めるんですが、納得いかない。いや、それは親が偉いんだぞと僕は陰ながら思っているんですが、偉いから口にしません。思っているだけです。思って、メルマガで書くだけです。偉いから。
 
と言うのは、やれって言ったって、やらないからね。「タオルたたんで」「はーい」で、やるわけないからね。ぐずぐず文句を言うのを、これはお前の仕事だからやりなさい、と言い続け、やってみせ、褒めてやり、サボれば叱り。山本五十六も言っているでしょ、「褒めてみて やらせてみせて 言ってみて 褒めてみなけりゃ 人は動かじ」みたいなやつ。あやふやにもほどがありますが、真相を知りたければググってください。「山本五十六 人は動かじ」とかで検索検索ぅ!
 
で、そうやって何日も、ミッションによっては年単位で言い続けて、やっと子供は仕事を覚えるんですよ。一応言っておきますと、僕が楽をしたいという目的ではなかったんです。僕は家事をきちんとこなすって人間としての土台だと思っているので、一通りの家事はできる状態にしてやることが、親の務めだと思っているんですよ。だから頑張って教えたんです。でも結果的に、今はすごく楽になりましたけどね。子供が小学生になると、ほとんどのことが出来るから、親の負担が減ります。
 
ただ、繰り返しの言い訳になりますが、そもそもの動機は、子供のためを思ってだったんですよ。家事をきちんとこなせる人間になれ、との親心ですわ。結果的に、超楽になっただけ。今、うちの小学生は、洗濯・掃除は完全にこなし、カレーライスやホットケーキは普通に作ります。昨日は、オーブンで手羽元とポテトを焼いていましたからね。180度で45分、とか言って。食事を全て子供が作るとか、うちでは日常の風景になっていますからね。我が子ながら、こいつやべえなと思っています。
 
さて、そんな子供たちですが、当然、仕事をやりたくない時の方が多いです。そういう時は、小さな報酬を与えます。小さな報酬と言ったって、そのたびに飴玉をやったり、食べ物で釣るのは三流のやり方です。僕はポイント制を導入しています。小さなお仕事をしたら1ポイント、素晴らしいお仕事をしたら5ポイント、自発的に仕事を見つけて解決したら10ポイント、みたいな感じ。
 
「おとうさんポイント」です。子供が「蚊を殺したよ!」とか言ってきたら、これはポイント高いですよ。5ポイントです。蚊は嫌ですからね。小さな羽虫なら1ポイントです。子供の頭に手をかざし、ポイントをあげます。「ポインポイン!」とか言って。
 
時々、我に返った子供が「ポイントを貯めたらどうなるの?」とか言ってきますが、「500ポイントで交換できるよ」とか答えます。「よし、がんばるぞ」とか言って、どっか行きます。そしてそのうち忘れます。基本的にバカなんですよ、子供だから。何に交換できるとも言っていないのに。でもポイントをあげると、とても喜びます。バカですから。
 
ま、面白いオチっぽくなったから、この辺で終わる方がエッセイとしては綺麗なんだけど、書きたいことは全部書かなきゃ気が済まない呪いを530年前にかけられているので(最近、言い張っていませんが、僕は721歳です)、ポイント制の心理について書きますよ。
 
うちの子供もそうだけど、ポイントって使わないでしょう。でも貯めたくなるでしょう。人間心理なんですよ。僕の「おとうさんポイント」のような、無駄なポイントでも人の仕事効率は上がる、という心理学の実験があります。
 
どういうやつか、あやふやな記憶をベースに語りますと、パソコンの単調なゲームーー例えば赤い丸が出現したらそこをクリックしてください、とか、そういうやつ。ただただ、その作業をやらせる組と、もう一方の組は、赤い丸をクリックすると得点が出るようにするんですよ。その得点が多いから何かある、ってわけじゃないんですよ。ただ得点が出るだけです。賞品が出るわけでもないんです。でも、そうすると効率が上がるんですよ。無意味なポイントでも仕事効率は上がる、という実験です。
 
ゲームの心理を仕事に応用できる、ってことです。仕事をゲームにして楽しくするんです。ポイントを集めるゲームです。店のポイントカードとかも、別にそんなに得にはならなくても、貯めたい、って思うでしょう。ポイント収集心理に付け込まれるでしょう。この資本主義社会、皆さん、消費者としてポイントを貯めさせられるばかりですからね、育児ぐらいは逆手にとって、ポイント発行側になりましょう。おとうさん(おかあさん)ポイントを発行し、子供を操りましょう。
 
以上、蛇足でした。こういう実験があるんだよ、とか書くと説得力も増すしね。ぜひ皆さん、ご家庭の子供に仕事をガンガン頼んでみてください。さて、なんか台風だねー。雨、やばいねー。特に何事もないといいけどね。皆さん元気ですか、疲れている人は、きちんと睡眠をとるといいですよ。ではまた明日。チャオ!
 
──【NEWS PICKUP】────────
 
田舎暮らしは甘くない、という高知市の動画
 
ニュースサイトにこんなのがあったので、ご紹介。高知だし、見てみましたが。うーん、なんだろうね。全然ピンと来ないな。移住した6組に1組が都会に戻る、みたいなことも言うけれど、それ、普通じゃない? 逆に田舎から都会に来た人でも、それぐらいは戻るでしょ。宇宙人に見えるとか、んなわけないじゃん、と思う。あと、動画では、高知の人が普通に標準語を喋っているけど、なんでこれを土佐弁にしないかね。普通に動画としての出来が悪い、クオリティが低い。
 
僕は結局は、心の問題だと思っていますけどね。田舎暮らしだから、ってことじゃなくて、新しい生活を始める場合は、自分から心を開けば溶け込める確率が高いでしょう。学校の入学とか、新入社員とか、そういうのと変わらないですよ。この動画は、理由のない田舎暮らしの悪いイメージを、自ら増長させているようにしか思わない。と、(高知市の自称)辛口動画に辛口コメントをしてみました。あ、そんなだから見なくていいですよ。
 
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