和噺

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結婚の噺

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        和噺   
                         R1/09/19
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お金がないから結婚できないとか、定職についていないから結婚できないとか、よく聞きますけど、何なんでしょうね。逆だと思うんですけどね。一人で暮らすのが大変だから、結婚するんじゃないのかな。人数が多い方が、色々と楽だからね。一人より二人の方が楽なんですよ、普通。
 
何にしても一人ってのは効率が悪くって、ご飯を作るのも、家事をするのも、二人になると労力が倍になるかっていうと、そんなことなくて、1.3倍ぐらいでしょう。一緒に暮らす人数が多くなればなるほど、生活は楽になるから、生活が苦しい人ほど結婚したり、同居したりする方がいいんですよ。
 
一人暮らしだったら、食事も家事も全て外注するのが、一番、効率が良いでしょうね。ホリエモンさんみたいに、ホテル住まいで、食事は外食で、というのが楽ですよね。それを実現できるほどのお金が無いのだったら、もっとお金を稼ぐか、それとも一人暮らしは諦めて誰かと一緒に住むか。ざっくり、二つの方向です。
 
誰かと一緒に住む場合のハードルになるのが、同居する人ーー結婚相手でも恋人でも友達でもいいんですけど、その人を信用できるかどうか、ってことですよね。素性の知らない赤の他人は、やっぱり信用しにくいし。留守の間に金品を持ち逃げされたら、かなわんし。
 
信用できるってことは、広い意味で、愛ですよね。以前、愛について書いたときに、愛っていうのは、自己と同一視している範囲と書いたと思いますが。ちょっと補足すると、そもそも自己を愛せない人も多いですよね。反ナルシスト、っていうのかな。ギリシャ語とかラテン語で、そういう単語がありそうだけれども。自傷的な性格というか。そういう人は、自分の身体、つまり、この脳が所属している生命体を肯定できない。そのまま進むと、自傷や自殺に行き着いてしまう。
 
なんでそういうことが起こるかっていうと、人間の自我っていうのは後天的に作られるもので、人為的なものなんですよ。自己を否定するような考えだって、教えられる、教育できる、これは洗脳といっても同じですけど。「お前はダメなやつだ」と言われて育てば、自己肯定感が低くなる、つまり自分を愛せなくなる。「お前はダメなやつだ」という言葉に同調する自我が形成されてしまっているからです。
 
これも毎度のことですが、大事なことだから何度も言いますよ。自我っていうのは行動様式です。この世界で、どう動くべきかというルールブックが「自我」。今、何気なく「ルールブック」と書きましたが、これ、自分で言いますが、良い例えですわ。法律みたいなもの。自我とは、個人的なルールです。こういう場合だったら、どう動くべきか、というルールブック。(ちなみに、そのルールブックに無い環境に遭遇したら、自我が崩壊することもあります。UFOにさらわれる、とかね)
 
そのルールブックは、まずは他者が書くのです。で、子供の頃ほど、書き込みやすいです。だから、普通は親が書き込みます。あとは、学校。テレビや本も、そこに書き込んできます。もう一つ、しゃべっている言語自体も価値観を内包しているから、言語そのものが自我の形成のベースになります。そうやって、物心ついた時には、ある程度のルールブックが完成している。というか、ルールブックが完成するからこそ、自我が生まれ、物心がつくんです。
 
なんか結婚の話をするつもりが、明後日の方向に行ったね。明後日というよりは、根本だから一昨日の方向というか。
 
で、その自我が「自己の肉体を肯定しない」例もたくさんある。「身を呈してでも、人を助けるべき」というルールを、誰かが書き込んだとしましょうか。親や、親戚や、学校で書き込まれたとしましょう。その人が、川で溺れている子供を見た。で、飛び込んで助けた。自分は死ぬかもしれない、ある意味、自殺行為をして助けたわけです。これは、自己の肉体の価値を第一にしていない一例です。多くの場合、自我と自己(の肉体)は一致するけど、一致しないこともある。
 
似たような例をいくつか挙げると、受験や就活に失敗して自殺したり、過労死したり、戦時中の特攻隊だったり、たくさんありますわ。薄いレベルでは、これが無い人はいません。みんな、ある程度は、自己を犠牲にして他者を助けますからね。全く無い(ように見える)人は、サイコパスとか呼ばれちゃいます。
 
で、自我と肉体は一致する必要はないんだけど、一致しないと死ぬ確率が高いから、そういう自我を作る文化(文化とは集団的な自我と言える)は、先細りになりますから。繁栄しませんから。だから、そんなに存在しないっていうだけのことです。それが生み出されない理由があるわけじゃなく、単に生存確率が低いってだけのことだと思いますよ。ただ、これもレベルの問題で、ある程度の自己犠牲が伴った方が集団利益になる場合もあるからね。(で、大抵、男性が自己犠牲役になります。女性は子供を産めるから、犠牲になったら損)
 
で、僕の考えでは、自我が肯定している範囲が「愛」です。ルールブックに「あれは良いこと」と書いてあるもの、その範囲が愛かな、と思います。で、冒頭の話に戻すと、信用できるっていうことは、その人を自分の自我で肯定しているっていうこと、自己と同一視しているってこと。その場合の自己は、肯定している前提で話していますけれどね。自己否定している人が、他者を自己と同一視しているってことは、他者も含めて存在を否定するってことですから。
 
そういう一例が、集団自殺。自己否定と愛(自己と他者の同一視)が引き起こすのが集団自殺。ま、さっき、愛とは自我が肯定する範囲と言っちゃったから、この場合は愛よりも共感とか言った方がいいかもしれないけど。自己否定と共感の結末が、集団自殺。ただ、主観的には、例えば集団自殺に誘われた人は、愛されている、と思うでしょうね。自己をーーその自己とは、自己を否定している自己なんだけどーーを肯定してくれたと思うから、ある意味、愛です。
 
で、大抵の場合、愛せば愛されます。好きになってくれる人を、好きになります。もちろん100%じゃないけど、普通はそうです。懐いてくる犬は可愛いけど、吠えてくる犬は嫌でしょう。
 
だから、まずは他者を愛することから始めましょう。なんか、どっかの教会が発行しているメルマガみたいになりましたが。そのためには、自分の自我、ルールブックを、書き換えましょう。大人なら、意識的に自分で書き換えることも出来ますからね。で、行動がフィードバックされて、他者を愛して、その愛が返ってきたという経験がさらに、ルールブックに書き込まれ、字を深く刻んでいく。そうやって、行動で自我の文字を彫り込んでいくんです。
 
流れとしては、他者を愛する、で、愛が(大抵は)返ってくる、自我の範囲が広がる、自己同一視できる範囲が広がる、家族や仲間といった範囲が広がり物理的にも生活が楽になってくる(集団で生きる方がコストが安い)、幸せになる、という感じ。行き着く先は世界平和ですわ。ラブアンドピースですわ。ラブピですわ。
 
一人暮らしってのは、自我の範囲が狭くなってしまうから、普通は幸せから遠ざかると思う。自我が狭くなると、世界が嫌なもので溢れてしまうから、不幸になりがち。子供が生まれて子供を育てれば、子供が自我に含まれる。みんな昔は子供だったんだけど、大抵の人は、なぜか自分が子供だったことを忘れているから、大人になると、子供がうるさいとか思うようになるんですよ。20年、30年の間に、書き換えられたんですよね。
 
で、改めて大人になって子供を育てたりすると、そこにまた書き込みが加えられる。大変だけど、そこを肯定して、自我を書き換えると、愛せる範囲が広くなる。介護も同じ。育児とか介護をやらざるを得ない人は、大変だけど、自我を広げるチャンスでもあります。そこを肯定したら楽になりますから。楽ってのは、自我の中に矛盾が無いってことです。自我の中に矛盾が多いと苦しいのです。自我と世界(環境)の矛盾、ね。それが苦しみの根源。
 
自我の矛盾というのは、こうあるべきというルールブック(自我)に書き込まれた文言と、現実の自分の状況の差異です。極端に言ったら、全てを受け入れれば、苦しみが無くなる。これは、お釈迦様方式です(現実を変えずに思考を変える)。もう一方は、できるだけ、現実の自分を自我に近づけていく。こうあるべき、という方向に、行動によって自己を作り変えていく。自己啓発方式。ナポレオンヒル形式です。思考は現実化する(思考を変えずに現実を変える)。
 
いや、こんな話じゃなくて、気軽に結婚すればいいじゃん、という話をしようと思ったんだけどね。その方が生活が楽になるから、と。ただ、やっぱりその根本を見つめると、そもそも、自我を拡大して他者を愛さないと、幸せな結婚生活とかあり得ないよね、ということになっちゃうのでした。こんにちは。僕です。皆さん、最近どうですか。元気ですか。元気だったら嬉しいです。なぜなら僕は、皆さんのところまで自我を拡大しているからです。偉いから。また明日。チャオ!
 
──【BOOK REVIEW】────────
 
『フロン 結婚生活19の絶対法則』岡田斗司夫
 
結婚関連の本で、ご紹介。全体的な感想としては、都会の人らしく、現代人らしく、個人的な結婚論だなってこと。自我が強固な現代都会人が、幸せな結婚生活を送るための思考です。わかりますよ、理解できます。孤独と愛(集団に属すること)の狭間で苦しみつつ、隙間に答えがあるんじゃないかと思って、知恵を絞って活路を見出した、って感じです。
 
結婚や家庭の問題を抱えている、そして「自我」が強い人には、いろいろな答えやヒントを与えてくれると思いますよ。平たく言えば、都会暮らしで、仕事と家庭の両立に、育児に、何か悩みがある人は、読んでみたらいいと思います。欲しい人いたらあげますので、1冊プレゼント。メルマガに返信で応募してね。ちなみに、20年ぐらい前に出版された本です。
 
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