和噺

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続・山林売買の噺

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        和噺   
                         R1/09/01
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おとといのメルマガで山を買う話をしたところ、
>>山林を買うことや多く持つことに対して、どのような苦労がありますか?ありましたか?
という質問をいただいたので、答えますねー。こんにちは。僕です。みなさん元気ですか?ご飯たべていますか?
 
まず、山林を「買うこと」の苦労。
 
普通、山林でも農地でも、知らない人には売りたくないものです。というのは、もし売った人が悪いブローカーか何かで、その山林が回り回って産廃処理場にでもなってしまったら、売った人が、集落の他の人から責められるでしょう。そういうリスクが、売ることにつきまとう。だから、得体の知れない人には売りたくないですよね。
 
僕は、今はすでに山奥に9年ぐらい住んでいて、集落でも「得体の知れた人」になっていますから、もし山林を買おうと思ったら簡単に買えます。だけど、十数年前に最初に山林や農地を買ったときは「得体の知れない人」でしたから。おいそれと、売ってくれないわけですよ。
 
僕が欲しいと思った土地(今、住んでいるところ)は、3人の地主さんのものでした。全員、地元の集落の人です。一人は高齢で寝たきりの認知症で、一人は不在がちで連絡が取りにくくって、一人は貸すのはいいけど売るのは嫌だ、という話でした。
 
まあ、普通の感覚で言えば、お三方とも「売ってくれなかった」で終わるところですが、僕はどうしてもそこが欲しかったので、色々とやってみました。
 
三人ともが、いいよと言って同時に売ってくれれば、それが一番いいんですけど、おそらくそれは難しい。だったら最初、まず一人から買ってしまって「あの人が売ってくれたから、あなたも売ってください」という論にすれば、相手も売りやすいんじゃないかと思いまして。で、その三人の地主さんのうち、寝たきりの認知症の人が一番いいだろうと思って、まずはその人から買おうと思いました。
 
この話は10年前の「都会育ちの田舎暮らし」の時にも書いたことあるので、繰り返しになると思いますけれども、まあ10年経っているし、皆さんも忘れているでしょうから、また書きますね。
 
当時、僕は街中(といっても、田舎の街中。山奥ではない。デイリーヤマザキが1軒あるというレベルの街中)に住んでいまして、その隣が特別養護老人ホームだったんですよ。で、いろいろ聞いて回ったら、地主さんの一人は、そこの特別養護老人ホームに入所していることが分かりました。言ったように、寝たきりの認知症で、親族以外は面会できないという話だったんですが、親族の人に許可をいただいて、面会していいっていうことになりました。
 
で、会ったのですけど、特に反応が無いんですね。まあ、しょうがないけど、反応がなくても聴力だけは最後まで残っているとか言うじゃないですか。自己紹介から始めて、その土地を買いたいみたいな話を、30分ぐらい続けたんですよ。幸いなことに徒歩30秒でいける特別養護老人ホームなので、それを毎日続けました。
 
そしたら、多分一週間ぐらいしてからだと思いますけれども、受け答えしてくれるようになったんですね。雑談から始まり、最初はマッカーサーがどうのこうの、という話を延々と聞いていたんですけれども、どんどん頭もしっかりしてきて、一ヶ月ぐらい経ったら、僕がその土地を買いたいということも理解してくれて。それも、最初は売ることに乗り気じゃなかったけど、最終的には売ってもらえることになりました。
 
で、司法書士さんと一緒に再度、その方のところを訪れて、売買契約を交わして。そしたら、たしかその半年後ぐらい、農業委員会を通しての農地売買契約も終了した、ほんの数日後に、その地主さんは亡くなっちゃった、という話がありまして。まあ、僕のケースで言えば、そんな感じですね。
 
その方が売ってくれたので、あとは、他の地主さんにも「あの人が売ってくれたので、お願いします」という話の進め方で、最終的にはOKをいただきました。それでも、いきなり「あの人が売ったので、いいでしょ」で、即OKではないですよ。茶飲み話がてら、一週間に一度ぐらいお伺いするのを何ヶ月か続けて、やっぱり、僕という人間が信用するに値する人間だというのを分かってもらって(自分で言うけど)、それでOKをもらったという感じです。
 
このプロセスを都会に住みながらやるのは、単純に遠いから大変だと思います。僕は、山奥に住む前に、田舎町の街中に移住していたので、こういう風に話を進めやすかったですけれどもね。とにかく、一般論に落とし込めば、売ってくださいと言っても9割方は断られますよ。でも、人間関係を築いて、信用してもらえれば、最終的には9割方はOKをもらえると思います。
 
どうしても売ってくれない人は、最初からそう言いますから。先祖伝来の土地で売れないとか、墓があるから売れないとか、そういうのは、もうどうしようもないんじゃないですか。でも大半の山って、そんなケースじゃないし、ただ持っているだけですから。信頼を得られれば、売ってくれますよ。で、個人売買ですから、ケースバイケースですから、頑張ってねとしか言いようがありませんけどね。
 
何にでも言えることですが、相手の気持ちになって考えることです。相手は何で売りたくないのだろうか。それは僕が「知らない人」だからだよな。じゃあどうしたら信用してもらえるか。子供と一緒にくれば信用してもらえるかな。仕事を何しているとか話せば信用してもらえるかな。熱意を伝えれば信用してもらえるかな。山を大切に使ってくれることを求めているのかな。とかね。
 
もしかしたら、相手が求めているのは、お金かもしれません。山林価格は下がっているから、大抵の場合、地主さんが買ったときよりも安い価格で売らざるを得ないんですよ。50年前に100万円で買ったものを、50万円で売りたくないですよね。そういう場合だったら、じゃあ買った価格を聞いて、その価格を払います、とか。もしくは、もう山林価格は上がらないし、他に買う人はいないからお願いします、みたいな方向で話を持っていくとか。
 
いずれにしろ、相手が何を求めているかを知らなきゃいけない。そのためには、相手の話を聞くことです。その人の望みを叶えれば、自分の望みも叶うんですよ、たぶん。ナポレオンヒルとかも、そんな話をしているんじゃないの(適当)。お互いにwin-winの関係を築けるような売買をしたいですよね。
 
ちなみに、僕はピンポイントで「この土地が欲しい」ということで話を進めたのですが、そうじゃなくって、あのあたりの山だったらどこでもいいというのであれば、もっと簡単ですよ。まずは大雑把な範囲で当たりをつけて、地主さんを把握して、みんなに手紙を送るとかね。数件に一件ぐらいは返事が来ると思いますよ。それは売りたい人ですから、買うのも簡単です。基本的に、価格の話だけでしょう。1町歩で15万円ぐらいでオファーしたらいいんじゃないですか。
 
ま、買うことに関しては、そんな感じ。あと「持つことの苦労」ですね。
 
我が家は10ヘクタールぐらいの土地があって、中には「もう数年、行っていない」という場所もありますが。自宅から数百メートルだけど、草がすごくて行けない。草刈りも大変だし、行くのが億劫。まあ、それは山林じゃなくて農地(耕作放棄地)の話だけど、草刈りしなきゃいけないところは苦労がありますね。純粋に草刈りの苦労が。具体的に言えば、草刈りの範囲は30アール(3反)ぐらいにとどめたいですね。それぐらいなら無理なくできると思いますよ。
 
山林は草刈りをしなくていいので、ぶっちゃけ、どれだけあっても構いません。放っておけばいいですから。ただ、苦労というほどではないけど、木を切ることに関して苦言を呈されたことはありますね。
 
僕の買った山の大半は人工林(スギ・ヒノキ)でして、僕は花粉症だし、スギやヒノキは嫌だから、チェーンソーで切ったり、巻き枯らし間伐をしたりしたんですよ。巻き枯らしっていうのは、木の皮を剥くことによって、木を立ったまま殺して枯れさせるという手法です。
 
木の「本体」はどこだか分かりますか? ゴーレムで言えばコアの部分ですよ。木も、いくら枝を切ったって、また再生するじゃないですか。枝はコアではありません。あと、木の中身、というか材木的な部分ですね、例えば生えている木のど真ん中にドリルで大きな穴を開けたって、木は生きています。木の真ん中もコアじゃありません。
 
木の本体は、皮なんです。皮こそが、木の生命線。根っこから吸った水や養分を、皮を通して、木の上部まで伝えるんですね。ですから、皮を、ぐるりと、木を一周するように切れ込みを入れて剥がしちゃいます。ノコギリと、スクレイパーっていう塗料剥がしの道具を使います。ほんの10センチぐらいの幅でいいんですよ、木のベルト見たいな感じで、皮をぐるりと剥いちゃうんです。それだけで、木は死にます。子供でもできる作業です。
 
すぐには枯れませんよ。2、3年したら、葉っぱも全部なくなって、「立ち枯れ」の状態になります。そのまま時が経てば、根っこも弱くなってきて、10年ぐらい経った時に台風とかで倒れて終わりです。それが「巻き枯らし」という方法です。
 
それで、うちの山の細いスギとかヒノキを巻き枯らししまくっていたら、地元の人に「せっかくのスギがもったいない」みたいなことを言われたことは、ありますね。もちろん、その気持ちも分かりますよ。50年ぐらい前に、一生懸命、植えた杉です。その当時は、一本の大きな杉を切って売れば一ヶ月の生活費になった、というぐらいだったらしいですから。
 
だけど今、大きな杉があったとして、それを切って売ったところで、利益はいくらになるか。普通、利益はゼロです。というか、赤字です。そのスギを切る人件費とか運搬費を考えると、赤字になるんです。もちろん自分でやれば、そりゃ微々たる人件費は出るでしょうけど、というレベルの話です。
 
なので、スギやヒノキを生やしていてもしょうがないし、前にもメルマガで書いたと思うけど、人工林は基本的に土壌を弱らせると思っているので、出来るだけ早く自然林に転換したいんですよね。特に、僕の山は我が家の上方にありますから、土壌を改善して保水力を高めないと、我が家がリアルに危ない。まあ、そういう思いで行動していたんだけど、やっぱり地元の人には「もったいない」と思って、快く思わない人もいるよね、と。苦労というほどじゃないですが、そういうこともありました。
 
もし、自分が買い取った山林の中に道があって、その道のメンテナンスの責任込み込みの売買だったら、そのメンテナンスの苦労はあると思います。だけど僕の場合は、そういうこともありませんでした。まあ、山林は皆さん放置が基本スタイルですから、山林を持つことの苦労は、無いですよ。固定資産税も、何百円とか、何千円とか、そういう単位ですし。
 
山林価格は、今はゼロで、これ以上下がることは無いと思います。だってゼロだから。だけど、日本の相対的な経済力が弱くなって、そのうち、逆に材木を「輸出」した方が儲かる、という時期も来るかもしれません。また、水源を守るというのが国策になれば(なるべきだと思う)、適切に管理された山林に対して補助金が出るかもしれません。経済的にも、山林に投資する価値はあると思いますよ。
 
ハードルは「買うのが面倒くさい」ってことです。今日、書いたように、個人と個人の話し合いですから、信頼を築いて、相手を思って、(気持ち的に)集落の一員になって、というプロセスが必要だろうし。そこが難しいから、多くの人が手を出さないんだと思いますけれども。でも一度買えば、信頼ができて、あと買うのは簡単になりますよ。1000万円でもつぎ込めば、大地主になれますよ。
 
なんか最後は金の匂いのする話にしてしまいましたが。そういう面から見ても、別に損をする話じゃないよな、と思います。孫にプレゼントぐらいの気持ちで山を買う、っていうのもアリだと思いますよ。都会のど真ん中に住んでいるけど、山を持っている、とか、心が豊かになるしね。ってことで、みんな山を買って、スギを切ろうよ。花粉症を無くそうよ。やればできるさ。ってことでまた明日。チャオ!
 
──【NEWS PICKUP】────────
 
常磐道を通行止にして「あおり運転」の実況見分
 
もう馬鹿なのかなと思う。いくら世間の注目を浴びたニュースだからって、高速道路を通行止にしてまで、再現とか、やる? 今まで、高速道路で起きた重大事故、全部、そういう再現とかしている? やってないでしょ。というか、現場で再現をやる意味が分からない。ドラレコだって残っているのに。高速を真昼間に通行止して、どれだけの人が迷惑を被っていることか。
 
おまけに、それを見ようと減速した反対車線で事故も起こるし。
 
こういうことも、普通に予測可能でしょう。まあ、重大事件が起こったぞ!って嬉しくて舞い上がったのかね、茨城県警。あおり運転より、よっぽど警察の方が世間に迷惑をかけているじゃないかと思った。
 
──【BOOK REVIEW】────────
 
『夢が勝手に叶う「気功」洗脳術』 苫米地英人
 
読者の方から「気功」について書いてとリクエストを、以前、いただいて、じゃあってんでKindle Unlimitedにあったので読んでみた本。怪しげ博士の苫米地先生の本です。ごめん、怪しげとか勝手にイメージで言っていますけど。
 
読んだ結果、気功に興味が湧いてきました。メルマガで「気功」について語れるほどには、全然知識がないってのは、相変わらずなんだけど、興味は湧きましたね。中国でガチの気功とか受けてみたいね。何千年も続いているんだから、それなりに良いことがあるのだと思います。読者の方、遠隔気功パワー送れる人いたら、僕に送っていいですよ。送る日時をメールしてから気功パワー送ってください。
 
ベタな言い方だけど、科学で解明できないことって、世の中にいっぱいありますから。なんで毛虫がある日、みんな一斉に移動するのかとか、蛹から羽化する時に意識はどうなっているかとか、そんなことも分からないんですから。分からないことの方が多いんですよ。気功っていうだけで怪しいとか、詐欺とか、そういうのは違うと思う。まあ、苫米地さんの見た目が怪しいのがいけないよね。
 
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