和噺

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薪の噺

 Build wood shelf before stove.
 
スコットランドの古いことわざで、直訳すれば「(薪)ストーブを作る前に、薪棚を作れ」ということです。ストーブがあるけれども、それから薪を準備したのでは、薪を乾かす時間が無い。だから、最初に薪を乾かすための薪棚を作って、それからストーブを用意しろ。つまり、何事もいきなり始めるよりも、準備を周到にしてからやれ、ということです。
 
読めてると思ってフリガナを降っていませんが、ていうかテキストメールなのでフリガナを振れませんが、薪は「まき」です。薪割りのまき、です。薪の下の部分の「新しい」という文字は、そもそも、立ち木を斧で割ると、新しい薪ができる、という意味ですから。新しいに草冠(植物の意味)で、まき、です。
 
で、先述のスコットランドのことわざを好んで使っていたのが、故サッチャー首相(スコットランド出身)でした。イギリスの鉄の女、ですね。フォークランド紛争の時に、当時の海軍大臣だったレイモンド・ガーフィールドは、即時の先制攻撃を主張したのですが、サッチャーはそれに対し、Build wood shelf before stove.つまり、まだ準備が整っていない、開戦やむを得ずという場合にも、全ての準備を整えてからすべきである、と主張したのでした。
 
結局、不満ながらもサッチャー案に従ったガーフィールド海軍大将でしたが(彼は海軍大臣と海軍大将を兼任していた)、ご存知のように、フォークランド紛争は当初、泥沼化すると誰もが思っていたのに、ほんの数日で決着するという神展開を見せました。それは結果的には、サッチャー首相の判断の正しさ、準備の周到さをイギリス国内外に知らしめたものでした。もしガーフィールド案のまま即時開戦していたら、ベトナム戦争化していただろうと言われています。
 
ガーフィールド大将は、この教訓を忘れまいとし Build wood shelf before stove.という言葉をイギリス海軍の標語としました。イギリスの海軍特殊部隊は茶色い帽子を被っていることからブラウンベレーと呼ばれていますが、その帽子の紋章の下には、この言葉が刻まれています。(イギリス陸軍特殊部隊であるSASの帽子には、この言葉がありません。SASとブラウンベレーの帽子は非常に似ていますが、ここで見分けます)
 
と、久しぶりに長々と虚言を連ねてみました。ここまでの文章は「テキストメールなのでフリガナを振れない」以外は僕の妄想ですので、即座に短期記憶から消去されることをお勧めします。短期記憶は前頭葉で記憶されているので、額を軽くカナヅチで叩いてください。平均的な日本人男性の場合、そしてハンマーヘッドが500グラムほどの平均的なカナヅチを使った場合、3.2Nの力で叩けば5分20秒分の短期記憶が消去されます。参考にしてください。
 
さて。 皆さん、いかがお過ごしでしょうか。ネットには、このような根も葉もない文言があふれていますからね。注意してくださいよ。何が嘘かを見分けられるネットリテラシーが現代ほど求められいる時代も無いでしょうね。
 
薪ですわー。薪。薪の話をしますよ。我が家はね、薪ボイラーと薪ストーブを使っているので、かなりの薪を消費します。薪の量をお伝えするのが難しいですが、2メートルほどの高さに積み重ねて、それが幅40メートルぐらい、それぐらいは1年間で使っていると思いますよ。普通の杉の木(直径30センチぐらいの)で10本弱、ぐらいでしょうかね。
 
薪暮らしを始めて9年になりますから、かなりの薪ベテランの私です。豆知識ですが、ベテランって言葉は「退役軍人」って意味があります。アメリカの車のナンバーで時々「VETERAN」って書いてあるのがありますが、あれはベテランドライバーって意味ではなく、退役軍人って意味です。
 
なんでわざわざナンバーで退役軍人主張しているのかっていうと、アメリカさんは軍人を大事にしているので、退役軍人サービスなんてのが至るところにあるんですよ。ベテラン(退役軍人)の人は10%オフ、みたいなやつ。ナンバーにするのは、ドライブスルーで便利だからじゃねーの(適当)。あと、俺はベテラン(退役軍人)様だぞ、って自己主張ですかね(適当)。
 
どっから話がずれたかと思ったら、薪ベテランとか言い出したからだよ。今や薪ベテランの私も、当初は薪ルーキーでしたから、先述の偽ことわざのように、薪棚を用意する前に、つまりは薪を乾かす前に、薪ストーブを用意したクチでした。
 
よく映画やCMで、暖炉とかに使う薪を外で割っている、なんて風景がありますが、割ったばかりのやつ燃えねぇからな! 薪が無い、よし割ろう、じゃ燃えねぇからな! その丸太がいつ伐採したやつか知らないけど、まぁ伐採して1年としましょうか、その場合でも水分は抜けきっていないから、割ってから半年ぐらいは乾かせよ!
 
いや、ひょっとしたら丸太は数年前に切ったやつで、もう丸太自体が乾いているんじゃないの?と思うかもしれませんが、いや、数年前の丸太だったら虫食いでボロボロだから! スポンジケーキみたいになってるから! だからね、丸太がパリッと「割れている」時点で、せいぜい1年以内、そんなに乾いていないはずなんですよ。今後、テレビなどで薪割りの場面があったら、そんな感じで注目してください。
 
薪ストーブの本とか読むと「広葉樹(ナラとかクヌギとか)の薪こそが至高、スギは雑魚」って書いてあるんですが(意訳)、広葉樹、すげー割りにくいから。割る側から言わせてもらえば、スギこそ至高。超割りやすい。その辺に生えまくっているスギ、いくらでも間伐材をもらえるスギこそが至高です。花粉症撲滅の一歩にもなるしね。わざわざ広葉樹を燃やすんじゃねぇよ、って思います。
 
極寒の北海道とかアラスカなら、スギは温度が上がらないし役に立たない、となるのかもしれませんが、我が家は腐っても四国。年間で最も寒いとき(1月中旬の明け方とか)でもマイナス10度ぐらい。そんなに寒くない。スギだけで十分に対応できています。薪ストーブだけで、外がマイナスでも、家の中はぎりぎり半袖で過ごせる、ぐらいになります(20度ぐらい)。
 
とにかく薪ストーブで重要なのは「いかに乾いた薪を確保するか」です。乾いているか、乾いていないか。これはもう、薪の樹種とかより、はるかに重要。薪ストーブも、日本のより欧米製のが空気効率が良いとか二次燃焼が(以下略)とか言いますが、そんなことより、乾いているか、乾いていないか。これだけです。まず、雨が当たらない、風通しのいい、薪棚を作るべし。全てはそこから。
 
薪棚が用意できない場合は、その辺に薪を積んで、上にトタンを乗せましょう。風で飛ぶから、しっかり固定してね。横はいらないですよ、風通しが悪くなって、逆に乾かないから。横から雨が当たるのは、しょうがないです。ブルーシートはだめ。かえって湿る。古いトタン板は、田舎だったら、その辺でもらえますよ。
 
田舎暮らしといえば、薪ストーブ。これは本当に良いものですよ。すげー暖かいし。まぁ、こんなことを夏に言っても説得力皆無ですが。エアコンの暖かさとは全然、質が違う。お風呂に入っている感じに近い。とても気持ちの良い暖かさです。都会だと隣近所に煙で迷惑かかるから無理だけど、せっかく田舎に住んだら、そして沖縄とかじゃないなら、ぜひ薪ストーブをつけてください。
 
そして必ず、最初に薪棚を作ること。そして、薪を作ること。乾いた薪(冬に使うなら、8月中には乾かし始めたいね。理想は、前年の夏に割る)をたっぷりと用意して、素敵な薪ストーブライフを送ってください。と、真夏にそんなメッセージを送ってみる。チェケラ!( ´∀`)