和噺

まぐまぐで配信中のメルマガ「和噺」の過去ログです

インターネットの噺(その2)

【前回までのあらすじ】
山奥に住んだ僕。ネットが無いよ! パソコンもただの箱だよ! 山奥に住んで1年。ふと「携帯電波でネット使えるじゃん」ってことに気づく。なぜ気づくのに1年かかったのか。たぶん若年性認知症を発症していたのだと思う。713歳だけど。8年前の話です。


ってことで、ポケットWi-Fiなるものを買いに市内(県庁所在地)のAUショップにやってまいりました。

一応、ポケットWi-Fiなるものを説明しておきますと、携帯の電波をWi-Fiに変換して、パソコンとかでネットが使えるよ、みたいなやつ。普通は外出用の道具ですよね。スタバでMacBookを開く方々が当時、使っていたんじゃないですか。フラペチーノ。

各社で商品名は違うと思いますが、まぁそういうやつです。それを僕は「自宅用」として使おうと思った。AUの人に聞いてみると「オメェの住んでる山は圏外や。ウチの電波拾えるんわ3キロ先や、出直して来んかい!」的なことを言われたんですが。たしかにAUの電波マップ的なのを見せてもらうと明らかに圏外なのですが、でも実際に電波は入るので、まぁそこは良し。月額数千円だったと思いますが、契約して持ち帰ってきました。ポケットWi-Fi。黒い、スマホぐらいの大きさの箱ですわ。こいつがなんか、電波をユンユン飛ばしているらしいんですわ。

で。我が家でセッティング。神棚に榊の葉を円形に並べ、生贄のニワトリも捧げました。伝書鳩も3羽、捧げました。出でよ電波! 我をネットの世界に誘いたまえ!

来ましたねー。電波。超遅いけど。

そもそも圏外ギリギリですからね。もうね、画像とか読み込むのが無理。ヤフーのトップページにアクセスすると、文字化けして青いくてでっかいフォントになっている。しかも通じるのは天気の良い時、限定。

天気の良い時限定、っていうのは、雨とかだと電波が途中で吸収されてんのか拡散されてんのか知りませんけれど、圏外になるんですよ、ウチ。これをAUの人に言うと「そんなわけねぇ、中学で理科習ってこい、この唐変木」って言われるんですけれど。まぁ、実際に天気によって変わるんだからしょうがない。あと、午後6時から10時くらいはみんながネットに接続しているのか、ウチは全く繋がらなくなる。だから「晴れた日の昼間」のみに、かすかにネットが接続できるという環境が整いました。

つながったとは言うけれど。まぁね、することないですわ。動画が見れるわけでもないし。メールもHTMLメールとか読み込めないし。テキストメール万歳。このメルマガも、そういう環境で読んでいる人がいると思ってテキストメールでお送りしていますからね。オーストラリアのアリススプリングス近郊のアボリジニー界隈でそこそこ話題だとも勝手に想定しておりますので。パラボラアンテナにスマホ直付けで読んでいるかもしれないじゃないですか。そういう方のために、このメルマガはHTMLに背を向けて頑なにテキストメールでお送りしております。

そんな中、まぁ癒しになってくれたのがパズドラスマホゲームのパズドラパズドラの何がいいって、超軽いんですよ。あと、ダンジョンがオフラインで出来るんですよ。一度、電波の調子がいいときにダンジョンに入っておけば、遊べる。

他のスマホゲーム、当時軒並み試したけれど、どれもこれもアプリのダウンロードすらできやしない。アイフォン4をWi-Fi接続してアプリダウンロードしようと思って、電源に接続した状態で一晩待ってみると、大抵は「ダウンロードに失敗しました」となっている。運がいいとダウンロードできている。でもゲームのダンジョンとか基本的にオンライン前提だから、まず出来ない。切れる。

あと、PS3のゲームをしようと思って、ソフト買ってくるわけですよ。すると、「このソフトを利用するには何かをダウンロードする必要があります」的なのがあって、ダウンロードしようとするんだけど、「ダウンロードまであと19時間40分」とか出てくる。そして、大抵は途中で途切れて最初からになる。何日か試してみて、やっとダウンロードできてゲームが遊べる。そんな感じのネット環境ですわ。スカイリム(オフライン)面白かった。

そんな中で唯一、ストレスなく遊べたのがパズドラでした。サンキュー山本P。ありがとうマックス村井。私のアイフォン4はこの時代、パズドラ専用機として稼働しておりました。

さて。そんな感じの、細い糸で4キロ先のAU電波塔とつながっている生活が何年か続いたんですが。我が家のネット環境を揺るがす出来事が起こります。

たぶん山奥に住んでから2~3年経った頃。我が家の近くに、自治体の公共施設的なやつが建設される、という話が出てきました。

昨日のメルマガでちょこっと書きましたが、我が家と隣家は2キロ離れている、って話をしたじゃないですか。その2キロ先から我が家までは、基本的に一本道。途中、田んぼやビニールハウスに至る小道はあれども、一本道です。そして電線はありません。(うちの電線は車道とは違うルートから引いている)

で、その道沿いに、我が家から700メートルぐらいのところに、県と町が2億円ぐらいかけて、なんか施設を作る、という話が持ち上がってきたのです。田舎暮らしの体験施設みたいなやつ。

700メートルといっても、我が家からは山をぐるっと回る感じになるので、直接は全く見えないし、しかもその700メートルは森の中の道なので、我が家の孤立感は変わらないんですけれどね。音も、全く聞こえない。僕は死体処理の仕事とか時々請け負って、ユンボで敷地に穴掘って人を埋めたりしているんですが、そういう音も全く聞こえないですからね。その辺は安心なんです。プライベートが守られる距離感!( ´∀`)

で、その700メートル先に施設ができるのは、まぁ僕的にはどうでもいいんですが、重要なのは、そこの施設まで「光回線」が来るってことですよ。今までは、2キロ先だったから、お金もすげーかかるし、我が家一軒のために予算をつけることができなかった。でも、2億の予算をつけた事業が、そのうちの数百万円をかけて電柱立てて光回線を引くってのを1300メートル分、やったわけです。そしたらあと700メートル! 700メートル先に光(回線)が! 希望の光(回線)が! これをどうにか我が家まで伸ばせないものだろうか。

シリーズ「ネット誘致」。次回は『ラスト700メートルの攻防』をお送りします。